153馬鹿 子守歌とは懐かしい ページ3
「〜〜〜〜」
「……Aさん、その歌なんですか?」
「ん?この歌は私が小さい頃、今の君たちみたいに眠れないと気に母親に歌ってもらった所謂子守唄だよ。さぁ、目を閉じな」
伏木蔵の頭を優しく撫でると伏木蔵は嬉しそうに微笑み目を閉じた。
それを確認して再び子守歌を歌いだす。
そう言えばこの歌小学校の低学年の時まで歌ってもらったっけ。
懐かしいな〜。
というか歌うのとか久しぶりすぎて新鮮だわ。
「〜〜〜〜……寝たか?」
一通り歌い終わって寝たかどうかを確認すると四人共スースーと小さな寝息が聞こえてくる。
どうやら完全に寝たようだ。
私は彼らを起こさないようにゆっくいと腰を上げて静かに部屋の出口に向かう。
「……おやすみ、良い子達」
彼らには聞こえてはいないだろうが小さくそう言ってその部屋を出た。
音を立てないよう静かに障子を閉めて暗い空を見る。
空には大きくて丸い月……満月がぼんやりと浮かんでいる。
「……綺麗な月やな〜」
ほぅと息を一つ吐いて自分の部屋に戻るため今まで足を組んでいたせいで痺れた足を動かした。
このビリビリする感じは何度痺れても慣れないもんだな〜。
ヒタヒタと歩くたびにキシキシと廊下が鳴く。
現代でもどっかの城かなんかの廊下で"ウグイス張り"だかなんだかあった気がする。
いや、この廊下はただの老朽化か?
そんなことを思いながら自分の部屋に急ぐ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ファ〜……もうこんな時間かぁ……さっさと寝よう」
アラームをセットしようとしたとき何気なく写真フォルダを開いた。
そこには普段の生活を撮った写真が数多く存在している。
アホ兄貴共とふざけて撮った写真、弟に無理やり女物の洋服を着せて撮った写真、母親と父親と一緒に撮った写真。
他にも学校の友達と遊びに行った時の写真とかの写真をスライドしながら眺めた。
「……もう寝よう」
私は写真フォルダを閉じてアラームをセットし目を閉じた。
これ以上写真を、思い出を見て振り返ると涙が出てしまう。
と言うかちょっと涙が出てるし……。
明日目が腫れてたらどうしよう、もし腫れていたら鉢屋や立花にからかわれてしまう。
腫れていないことを祈りながら母親が昔歌ってくれた子守唄を思いだしながら眠りについた。
母親が歌ってくれる子守歌はとても安心できるものなのだが今回ばかりは寂しさを倍増させるだけだった。
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長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» 人それぞれ自分が書きやすい書き方というのがあると思います。何より自分が楽しく書くのが一番だと私は思いますよ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 俺、てきとーに考えて、最後どのように終わるなんて考えないで書いてる。そして書いてる最中に思い出すと、それを書いてる…………‥…‥って読みにくいよね。俺、話や書き方?が自分でもよくわからなくなることがあるのだ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» そうですね、この作品を書き始めた頃ぐらいですかね 私は書く前にどういう終わり方にするか考えてから書くようにしているんです (2016年5月18日 8時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 結構前からってドのくらい前よ( ̄△ ̄;)俺は、頭に浮かんだら、それを書く。的な感じでやってるよ。 (2016年5月18日 8時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» コメントありがとうございます この話は結構前から組み立てていたので早く書くことが出来ました。もう少し続きますのでどうぞ見ていってください (2016年5月17日 22時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年5月3日 1時