162馬鹿 飴玉最強説 ページ12
ゴロゴロと荷車の車輪の音。
それと共に良い子三人組達が口ずさむ歌が辺りに響く。
「……てかこの曲なんだ?」
「さぁ?」
荷車を引いている鉢屋の横について歩いている私が鉢屋に問う。
しかし聞かれた鉢屋も分からないという意味にとれる一言を告げた。
まぁ、あの子たちが楽しそうなら別にいっか。
するといきなりしんべヱが地面にへたりこんだ。
私は怪我でもしたのかと思い急いでしんべヱに駆けよる。
鉢屋も私と同じように駆けよったので私と同じ気持ちだったんだろう。
「どうした、しんべヱ?」
「お腹すいたぁ〜」
「もうしんべヱ!あんなにご飯食べたのにもうお腹がすいたの?」
「このあたりには団子屋もうどん屋もないぞ」
どうやらしんべヱはお腹がすいてしまい歩けなくなったようだ。乱太郎やきり丸の言葉から以前も同じようなことが何度もあったらしい。
まぁ、怪我がないのなら安心したが……何か口に入れる事のできる物なんかあるかな?
私は懐をゴソゴソ漁ると幸運なことにのど飴が数個入っていた。
その飴の中から適当に一つ選んでしんべヱに声をかける。
「しんべヱ、口開けてごらん」
「ア〜ン……!甘くて美味しい〜」
「そりゃあ良かった、じゃあこれでしばらくは空腹は我慢できるな?」
「はい!」
そう言ってしんべヱはビシッと立ち上がってキビキビ歩き出した。
飴玉一個であそこまで元気になるのか〜、すげぇな。
そこでふと思い立って再び懐を漁り二個の飴玉を取り出した。
「ほら、乱太郎ときり丸も口を開けてごらん」
「え?いや、私達は……」
「しんべヱにあげてお前たちにあげないのも悪いからな、まぁ遠慮するなや」
私がそう言うと二人は飴玉の魅力に耐えられなかったのか持っていた飴玉をパクッと口に入れる。
その瞬間二人の顔が一気に綻んだ。
「とっても甘いです」
「これ売ったら幾らぐらい儲かるかな?アヒャアヒャアヒャ」
「悪いが売るほどの飴玉は持ってないからそれは諦めてくれ」
約一名は銭の事しか頭にないようだがまぁ喜んでいたということで良しとしよう。
フゥと小さく息を吐いているとふと上の方から視線を感じる。
視線を感じる方に顔を向けると鉢屋がサッと勢いよく顔を背けた。
「……何だよ、鉢屋」
「な、なんでもねぇよ!」
そう言いながら良い子三人組についていく鉢屋。
私は一つの結論にたどり着いてニヤァと笑みを浮かべる。
急いで鉢屋の元へ駆けより声をかけた。
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長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» 人それぞれ自分が書きやすい書き方というのがあると思います。何より自分が楽しく書くのが一番だと私は思いますよ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 俺、てきとーに考えて、最後どのように終わるなんて考えないで書いてる。そして書いてる最中に思い出すと、それを書いてる…………‥…‥って読みにくいよね。俺、話や書き方?が自分でもよくわからなくなることがあるのだ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» そうですね、この作品を書き始めた頃ぐらいですかね 私は書く前にどういう終わり方にするか考えてから書くようにしているんです (2016年5月18日 8時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 結構前からってドのくらい前よ( ̄△ ̄;)俺は、頭に浮かんだら、それを書く。的な感じでやってるよ。 (2016年5月18日 8時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» コメントありがとうございます この話は結構前から組み立てていたので早く書くことが出来ました。もう少し続きますのでどうぞ見ていってください (2016年5月17日 22時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年5月3日 1時