152話 ページ2
「仕事というと、Aさんは何をされてるんです?」
グラスを傾けながらそう問うてくるネズさんに、同意する様にマリィさんもこくこくと頷く。
そういえば、まだ言ってなかったっけ。
別に隠すようなことでもないため、私は口を開いた。
「私は、しがない鉄道員ですよ」
「鉄道員……」
私の言葉に、ネズさんは形の良い顎に指をあて何かを思案するような表情を浮かべる。
そんな様子の彼に、私はもしやと思っているとマリィさんが言葉を放った。
「じゃあ、Aさん電車の運転が出来るの?」
「私は主に事務を担当してますから、運転はまた別ですね。一応知識としては頭に入れてますが」
マリィさんの期待に満ちた目に、若干の申し訳なさを感じるがここで嘘をつくわけにもいかないと、私は本当の事を口にする。
しかし、マリィさんはそれでも「凄いね」と称賛の言葉を伝えてくれた。
そんななか、思案に耽けていたネズさんがふいに口を開いた。
「もしかして、Aさんの仕事場はバトルサブウェイでは?」
「やはり、ご存知でしたか」
ネズさんはイッシュ地方に来たことがあると聞いたから、もしかしたらと思っていたがドンピシャだったようだ。
まぁ、ここ数年でバトルサブウェイはもっと有名になったから、イッシュ地方に足を踏み入れれば一度は必ず耳にすることだろう。
しかし、ガラルから出たことのないマリィさんはバトルサブウェイの事を知らないようで「アニキ、バトルサブウェイって」と問うた。
「バトルサブウェイというのは、イッシュ地方のライモンシティにあるバトル施設のことですよ。妹よ」
「バトル施設?」
「ここからは私が。バトルサブウェイは参加するポケモンを三体連れ、一対一でバトルするシングルトレイン、参加ポケモンを四体連れダブルバトルをするダブルトレイン、そしてマルチトレインの計三つの特別な電車が運行されております。勿論、普通の地下鉄としての面も持っておりますが、主にこの三つが有名どころでしょうね」
「シングルバトルとダブルバトルの電車は分かったけど、マルチトレインっていうのは?」
「マルチトレインは、他のトレインでは参加人数は一人ですが、このトレインでの参加人数は二人なんです。そして、参加ポケモンはダブルトレインと同じ二体でバトルを行います。いわゆるタッグバトルですね」
ここまで説明すると、マリィさんはほぇと感心しきったような、驚いたような顔をして私を見上げた。
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長月シキカ(プロフ) - ミサさん» コメントありがとうございます!! レスが遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした。多くの作品から当作品を見つけていただけただけでも嬉しいのに、このようなコメントまでいただけて涙が出るほどに嬉しく思います^^ こちらこそ閲覧ありがとうございました! (2022年3月29日 21時) (
レス) id: f960b2a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 完結されて日にちが経ちますが、最近見つけたこの作品を読み出してとても面白くページを読み進める手が止まりませんでした。とても良い作品に出会えて嬉しいです。ありがとうございます。 (2022年3月25日 17時) (レス) id: 068b87fb6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2021年10月24日 22時
