【ｐｋｍｎ】バトルジャンキーとバトル嫌い=第三部= (ページ7)

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107話ページ7

ガチャリとノブを回しドアを開けると、長い事開けられていなかったのかドアからはぎぃぃという錆びついた音が響いた。
部屋の中は少々埃りっぽく、私はパタパタと顔の前で手の平で仰がせつつ部屋の奥へと足を踏み入れる。

この部屋は私が入社した当時から使われていない部屋で、クラウド先輩曰く元々は資料室として使われていた部屋らしい。
いまでは新しい場所に資料室が出来て物置部屋と化しているため、よほどのことがない限りこの部屋に来る者はいない。
本来であれば、だが。

私は部屋の天井から垂れ下がってる紐を下に向けて引っ張り、電気をつける。
もう十数年以上も前からある部屋だからか、この部屋の電気はだいぶ古いタイプなのである。

パチパチと数回点滅したあとに、部屋の中が明るくなった。
明るくなった瞬間、部屋の奥の方からガタリと物音がした為、音がした方へ足を向ける。

そして、私は視界にうつったものに対して大きくため息をついた。

「やっぱり、ここにいましたね。クダリ」

私は仁王立ちして腕を組みつつ、自分の目の前で座り込みバチュルとアイアントと一緒に戯れている探し人であるクダリを見下ろす。
クダリは口元に笑みを張り付けたまま、気まずそうに私から目を逸らした。

「クダリ、目を逸らさない……書類、まだ終わってないんでしょう」

「……よく、ここが分かったね。ノボリは?」

「そりゃあ、だてにクダリと同期をやっているわけではありませんから。ノボリは今仮眠中を取ってるそうです……ところで、そのバチュルは新しい子ですか?」

「! うんっ、この子この間孵化した子なんだ! きっと強い子になるよっ」

「そうですか。私に良し悪しは分かりませんが、クダリがいうのならそうなのでしょうね」

自分の足元に寄ってきたアイアントを優しく撫でながらそう言うと、先ほどまでしょぼくれていた顔をしたクダリが生き生きとポケモンについて解説し始める。
クダリと初めて飲んだ時に見せてもらったバチュルは、立派なデンチュラへと進化して今では立派にバトルで活躍しているようだ。

もっと撫でろと言わんばかりに、私の手に頭を押し付けるアイアントを撫で続けながらクダリに話しかける。

「さてクダリ、息抜きは出来ましたか?」

「うっ……」

クダリのその様子にこの期に及んでまだごねるつもりなのかと、私は一言一言強調する様な言い方で言葉を吐き出した。