【ｐｋｍｎ】バトルジャンキーとバトル嫌い=第三部= (ページ36)

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136話ページ36

しばらくすると、この場を纏める司会者の言葉で本日のバトルが開催され辺りは観客の熱狂的な応援による熱気に包まれる。
辺りを見渡すと、カブ叔父さんのジムのマークが描かれたタオルやシャツを身に着けている人が多い。

流石はポケモンバトルがエンターテインメントとして確立されているガラル地方。
ジムリーダーグッズも豊富なようだ。

カブ叔父さんのグッズを身に着けている人がいるのを見ると、なんだか自分の事の様に嬉しく思うのと同時に誇りに思う。
本当は私にそんな事を思う権利などないのだが、それでも私はそう思わずにはいられないのだ。

そうこうしているうちに、カブ叔父さんとチャレンジャーらしき少年がコートの真ん中へと歩いていくのが視界に入る。
ついに、ポケモンバトルが始まるのだ。

両者が定位置に着くと、司会者のバトル開始を宣言する。
すると、両者は同時にモンスターボールを空に投げた。

叔父さんが最初に場に出したのは、九本の尾をもつ美しいポケモン――キュウコンだ。
対してチャレンジャーが出したのは……なんだろうか、あのポケモン。

私はポケットにしまっていたスマホを起動し、初めて見るポケモンに向けてみた。
このスマホの中にはポケモンであるロトムが入っており、調べたいポケモンに合わせると自動的に調べてくれるという優れモノだ。

このガラルではこういったスマホ、通称"スマホロトム"が一般的に普及しているようだ。
現に周りの人たちの傍にも、ふよふよと浮かんでいるスマホロトムが目に入る。

ちなみに、私のはカブ叔父さんからの勧めにより、外から来た観光客用にレンタルされているスマホロトムを使用している。

「へー、あれは"カムカメ"っていうポケモンなのか」

表示されたスマホの画面を見ながら、私は小さくそう呟く。
スマホロトムによると、あのポケモンはガラル固有種の水タイプのポケモンのようだ。

炎タイプに水タイプはこうかばつぐんだ、つまりタイプ相性はチャレンジャーが有利であるのが見て取れるのだ。
この局面、叔父さんはどう立ち回るのだろう。

私はこれから始まるであろうバトルを目に焼き付けようと、持っていたスマホをポケットへとしまい意識をバトルへと集中させるのだった。