【ｐｋｍｎ】バトルジャンキーとバトル嫌い=第三部= (ページ26)

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126話ページ26

「分かりました、私が行きます。場所はどこです?」

「はい! シングルトレインのホームですっ」

「シングルのホームですね、分かりました。ラムセスさんはジュンサ―さんに連絡をお願いします。他に手が空いている方は、シングルのホームへ立ち入らないよう規制をお願いします」

私の言葉に、執務室にいた鉄道員たちが「はいっ」と返事をしてそれぞれ行動に移し始めた。

「シンゲンさん。クラウド先輩が戻られたらこのこの事を報告していただけますか?」

「ワ、ワカリマシタッ!」

シンゲンさんにそう指示をして、私は執務室を後にする。
急ぎ足でシングルトレインが停車しているホームへと向かうと、近づくにつれて喧騒が激しくなってくる。
遠くから聞こえる断片的な言葉から推測するに、どうやら恐喝によってバトルポイントを奪おうとしているらしい。
これは相当な騒ぎだ、私は急ぐ足をさらに速めた。

ホームに着くと、私は目を見開いた。
何故なら私の目の前には、半壊したホームとトレインが広がっていたからだ。

男のポケモンであるサザンドラを見るかぎり、なにか大技を繰り出したようだ。
ノボリとクダリもシャンデラとデンチュラを出しているため、応戦したのだろう。

あまりの酷さに私はめまいを起こしかけたが、社会人としての意地のおかげかなんとか倒れずにすんだ。
全く、このクソ忙しい時に余計な仕事を増やすんじゃない、と思いながらも私はまず隅の方に固まりながら騒ぎを見ている他の乗客や景品の交換所の受付の女性たちに声をかける。

「お客様、申し訳ありません。お怪我はありませんか?」

「あ、あぁ」

「ここは危険ですのから、避難をお願いします。受付の方も、お怪我はありませんか? ここは危ないですのでお客様を連れて一緒に避難を。ホーム外には他の鉄道員もいますから」

「わ、分かりました!」

そう返事をし受付の人はお客様を連れて、ホームの出口へと向かっていく。
そんな彼女らの避難を確認し、私は騒ぎの原因に向かってポケモンを繰り出した。

繰り出したポケモンは、メラルバである。
私はメラルバに向かって、指示を出す。

「メラルバッ! いとをはく!」

指示通りにメラルバは、この騒ぎの元凶である男に向かっていとをはいた。
虫ポケモンの吐き出す糸は強力で、よほどのことがない限りほどくことは不可能だろう。

「あ˝ぁ? なんだこりゃ!?」

いきなり体中を糸で巻かれて驚いたのか、男が激しくそう吠えだした。