【ｐｋｍｎ】バトルジャンキーとバトル嫌い=第三部= (ページ19)

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119話ページ19

カズマサさん、いやカズマサに説教し終えた私は執務室へと足を向ける。
他人の姿を撮った映像を他人に見せる後輩などに、さん付けは無用だ。

……というのは冗談で、ただ単に叱っているときにさん付けを外して叱っていたのだが、説教が終わりいつものように呼んだら、カズマサの奴が先程の呼び方のほうがいいと言い出したのだ。
説教で疲れた私がそれを了承したため、今後彼の事はさんを付けずに呼ぶことにする。

いつもの廊下を歩き執務室の扉を開けると、執務室の中は少し騒がしかった。
執務室の中にいる人たちがチラチラとこちらを見ている気がするが、私はそのまま自分のデスクへと足を向け腰を下ろす。

視線の理由はおそらく、カズマサの動画の事だろう。
もうここまで広まっているのか、と思いつつも私は気にしないようにしながらデスクの上の書類に目を向ける。

「さて、先に終わらせなきゃいけない書類はっと……」

何でもない様にデスク近くの人に挨拶をしてから、私はデスクの上に置かれている書類を手に取り目を通した。
休日明けであるためか、いつもより片付けなければならない書類が多い。
私は手早く書類を仕分けしてから、優先順位の高い書類から手をつけはじめた。

愛用のペンを走らせながら時折質問をしにやってくる後輩の相手をしつつ、次々と仕事を終わらせていく。
しかし、やってもやっても終わらないのが仕事である。
というか、マジで終わらない。世間では休日である今日はいつもより人の出入りが多いようだ。

＊

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「ふぅ……やっとひと段落着いたか?」

昼休憩のチャイムの音で集中力が切れたことで腕を伸ばした。
ほぼぶっ通しでデスクにかじりついていたせいで凝り固まった首と肩を回すと、ゴキゴキと音が鳴る。
長時間デスクに向かうとすぐこれだ、私も年を取ったものである。

ハァと息をつきながら肩に手をやりグルグルと回していると、慌てた様子でクラウド先輩が執務室に戻って来て、私の名前を大声で呼んだ。

「Aー! 頼みがあるんやっ!」

「大声で呼ばなくても聞こえてますよ……どうしたんですか? そんなに慌てて」

バタバタとした様子で近寄ってくるクラウド先輩が、思わず身構える私の肩をガシッと掴んだ。
男の力で掴まれているわりには、肩にそんな痛みは感じない。きっと先輩は力を加減してくれているのだろう。