【ｐｋｍｎ】バトルジャンキーとバトル嫌い=第三部= (ページ15)

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115話ページ15

「ジャローダ、相手と距離を取ってください」

余裕が出来たことで少し落ち着いた私がそう指示すると、ジャローダは相手と距離を取る。
そして、相手の正面に移動したのを確認し、私は次の指示を口にする。

「ジャローダ、ソーラービーム」

ジャローダの口元に光球が出来はじめ徐々に大きくなっていく。
こちらが技を放とうとするのを理解したのか、男は嘲笑を浮かべた。

「バカめ、ソラビは溜め技だ! その間にマヒをどうにかして」

「おや、ご存じありませんか? ソーラービームはある条件下においては、一撃で放つことができるんですよ」

「条件? ……しまったっ!」

「ご理解されたようですが、もう遅いです。ジャローダ今です!」

右手を突き出しそう声を張り上げると、ジャローダの口者に発生していた光球が真っ直ぐ相手のポケモンへと注がれた。
激しい爆音と閃光が止むと、フィールド内に立っていたのは私のジャローダだけだった。

「ぶ、ブーバーン、戦闘不能……」

まさかタイプ相性が有利な方が負けるとは思っていなかったようで、チャラ男の覇気のない声によりこのバトルの幕を閉じた。
バトル終了の言葉を聞いた私は、駆け足でジャローダの元へと駆け寄る。

「お疲れ様、よく頑張ったね。すぐに手当てするから」

私が近づきそう言うと、ジャローダは頭を下げて褒めて褒めてとでも言うように、私の体に頭を擦り付ける。
グルルルと甘えた声を出す彼女を撫でてやっていると、バトルに負けたスキンヘッドの男が奇声を上げ始めた。

何かを喚いているが、要約すると自分がこんなガキに負けるわけがないという旨を喚いている。
いい年した大人がなんと見苦しいものか、と思い無視していると、キレた男がこちらに向かって殴りかかろうとするのが見えた。

男からジャローダを守ろうとモンスターボールに手をかけた瞬間、バシンッと何かを激しく叩きつけるような音が響いた。
その音の正体は、ジャローダが自分の尾を地面に叩きつけ男を牽制している音だった。

ジャローダの尾はまるで丸太のようで、もしそれが勢いよく当たっていれば怪我だけではすまないだろう。
それが男の体スレスレに叩きつけられたのだ。男は腰を抜かしたようで、無様に地面に尻をつけている。

腰を抜かした男から見たジャローダは、きっと巨人のように見えている事だろう。
普通にしている時でさえ眼光が鋭いジャローダの目は、男を敵と認識した今、更に鋭くなっているのだ。これは恐ろしいだろう。