【ｐｋｍｎ】バトルジャンキーとバトル嫌い=第三部= (ページ1)

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101話ページ1

カズトモとミツカさんの結婚式から、十年の月日が経った。
いきなり十年も経って驚くかもしれないが、あれから本当に時が経つのが早かったのだ。

ここ数年前にギアステーションに新しい施設が出来たのだが、その為にアホほど忙しくなったせいで同期の半数が辞めてしまいさらに忙しくなった為、時が流れるのが早いのだ。
まぁ、十年の間に電車好きの新入社員が何人か入社してくれたので忙しさは多少軽減されている。

十年も経つと色々と変わるものだ。
先ほどもいったが、ギアステーションには新しい施設、というかバトルトレインが走る事になったのだ。
トレインの名は、ダブルトレイン。参加するポケモンは四匹で、二匹をバトルの場に立たせてバトルさせるというトレインだ。
つまりは、ダブルバトルをするトレインということだ。

この他にもマルチトレインというのも走るようになった。
マルチトレインでは、一人の人間が二匹のポケモンを出すダブルトレインとは違い、違う人間とペアを組み参加ポケモンはそれぞれ二匹で戦うというトレインだ。

これらは全て、新しくサブウェイマスターとなったある男たちの案である。
それは勿論……あの二人だ。

「Aっおはよう!」

「おはようございます、A」

お互いに同じデザインのコートに身を包んだクダリとノボリが、私に話しかけてくる。
ちなみにクダリは白い色のコートで、ノボリは黒い色のコートである。
私と違うコートに身を包んでいる彼らがそう、新しいサブウェイマスターである。

「おはようございます。白ボス、黒ボス」

「……僕、その呼び方嫌だって言った」

私は姿勢を正し軽く頭を下げるが、クダリはむっとした声色で言葉を放つ。
クダリの言葉に、私はハッとして謝罪の言葉を口にした。

「ごめんなさい、つい。改めておはようございます。クダリ、ノボリ」

「うんっおはよう!」

「おはようございます」

改めて朝の挨拶をすると、クダリは満足したように笑みを深め、ノボリもどこか満足そうな雰囲気を漂わせる。
表情が出にくい私が言うのもなんだが、ノボリも顔から感情を読み取るのは容易ではない。

ちなみに"黒ボス""白ボス"と呼び方は、クダリとノボリがサブウェイマスターに就任したことで、実質ボスが二人いることになるため、私たち鉄道員は二人を区別するためにと呼ぶようにしているのだ。
"黒ボス""白ボス"という言葉は、おそらくコートの色から取ったのだろう。