２５８標的 バトル開始の段 ページ8
「なるほど。じゃあモスカをちゃちゃっと片づけてしまえば、援護に回ってもいいんですね?」
「構いません」
「了解です」
「では三分後に開始します。用意してください」
チェルベッロ機関にそう言われ、私は沢田君達と共に基地ユニットへと向った。
基地に入ると、山本君は和服から戦闘服に着替える為、私は後ろを向く。
「入江さん大丈夫ですか?」
「あぁ平気だよ。それより君こそ大丈夫なのかい?」
「ウチが言うのもなんだが、あのモスカ達はボンゴレより強いぞ」
「大丈夫ですよ。きっとなんとかなります」
そう言って笑って見せると、入江さんとスパナさんは何ともいえない表情を浮かべる。
まぁ、そうだろうな。二人はいかにも理系って感じだし、そもそも普通妖怪なんて信じられないしね。
そうこうしているうちに、三分がたちチョイスバトルの幕が切って落とされた。
「なぁ。円陣組もうぜ」
「山本君……」
「A、まずは生きててよかった。詳しい話はコレが終わってからな!」
そう言い山本君はいつもの笑みを浮かべ私の頭を撫でる。
そうして、私たちは円陣を組んだ。
「A」
「ひっ!?」
「いちいち驚愕するでない。人間風情が」
「あぁ゛! てめぇ十代目に向かってなんて口の利き方を!!」
「黙れ、駄犬。それより、あの機械人形がAを探し飛行している」
「分かった。入江さん、私はあのモスカを片付けた後どうしましょうか」
「あ、あぁ……秋月さんは獄寺君と同じディフェンスに回ってくれるかい?」
「了解です。じゃあ一足先に私行ってくるよ」
「A……気を付けて!」
「沢田君達もね!」
そう言い、私は基地ユニットから飛び出し兄さん達に指示を出した。
「送り犬は私を乗せてこの基地ユニットから出来るだけ離れてくれる?」
「分かった!」
「鎌鼬は、モスカ達を私の方まで誘導してほしい」
「任せておけ!」
「他の皆は私の援護をお願い!」
「承知した」
「じゃあ、行動開始!」
私がそう言うと小平太兄さんは物凄いスピードで飛び、守一郎兄さんは獣の姿に変化し私を乗せる為身を低くする。
そんな兄さんの背中に乗ると、守一郎兄さんは思いっきり駆け出した。
風を切る様に走り始めてしばらくすると、長次兄さんが私に声をかける。
「A。機械人形がAを特定した。五秒後に粒子砲が撃たれる」
「了解、送り犬。そこの路地に入って」
守一郎兄さんはワンっと一鳴きして、すぐ近くの路地に入った。
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年6月4日 0時
