２５７標的 隠し事の段 ページ7
「人はいずれﾀﾋを迎えます。そして輪廻を巡り再びこの世に生を受けます。しかし、普通はその魂が同じ器に入ることはありません……だけど、私は違う」
「えっ?」
沢田君の驚いた声に応えることなく私は言葉を続ける。
「私は、初代月の守護者の魂を持って生まれてきた……つまり、私は初代月の守護者の生まれ変わりと言うわけです」
「え、えーーー!?」
「A。それは本当なのか?」
私よりも背が低いリボーン君が私を見上げながら険しい表情でそう聞いてくる。
そんなリボーン君に私は小さく笑みを浮かべながら口を開いた。
「そうだよ。ボンゴレに月の守護者の情報が極端に少ないのもそのため。月の守護者はどの時代でも必ず私がなる運命なんだよ」
「で、でも仮に君の話が本当だとして、そう何度も生まれ変わりが実現するなんてそんなの計算が……」
「入江さん。呪いなどの類が人間がはじき出す計算に通じるとお思いでしょうか?」
「の、呪い……?」
「そう。私の魂にははるか昔にまじないと言う名の呪いがかけられている。いや、私自身が欠けたんだけどね。はるか昔の私が……ね」
そう言って薄く笑って見せると、入江さんはますますわけが分からないといった風に首を傾げてしまった。
「まぁ、最終的には私は人ではなく化け物だと思ってくれていれば、全てのことに説明がつくでしょう」
「A」
沢田君の小さな怒りのこもった声が私の耳に届くが、私はわざと聞こえないフリをする。
いくら沢田君達が否定してくれていても、自分が化け物であることには変わりないのだから。
「まぁ、君が人だろうと化け物だろうと僕は君の能力が欲しいだけだし、さっさとゲームに移ろうか。あ、そうそうバトルを始める前に公平にジャッジする審判を紹介しないとね」
「我々におまかせを!」
そう言い二人の美女が空からやって来た。
この人達はリング争奪戦で審判していた人達じゃ。
確か、名前はチェルベッロ機関だったはず。
「我々はミルフィオーレチェルベッロ機関。それ以外の何者でもありません」
そう言い、彼女達はチョイスでの反則行為などを観覧席についてなどを話し始めた。
そして、私の方に視線を向け彼女達は言葉を続ける。
「なお、秋月様は四体のモスカを破壊しない限り沢田綱吉側の援護に回ることを禁じます。その逆もしかりです」
リング争奪戦でも思ったが、私のだけルール厳しくないか?
まぁ、そんな抗議しても意味はないだろうけど。
２５８標的 バトル開始の段→←２５６標的 月の守護者の秘密の段
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年6月4日 0時
