２８7標的 十代目、来りの段 ページ37
私も山本君と同じ方を見るとゴーストは周りの電撃が激しさを増している。
そんな様子を見た六道さんが言葉を発した。
「彼は、ここへいきなり現れた。まるで
「ということは!!」
「一気にユニのもとへ!!?」
「敵味方全ての炎を吸収した奴のパワーはハンパねぇはず!! まずいぜ!!」
荒い息で呼吸しながらそう言うディーノさんに、私はどうにかしないとと思い体を動かそうと上半身を起こそうとするがあまりの痛さに起こすことが出来ない。
この場に焦りの感情で包まれるが、それを打破するかのような声が上空から聞こえてきた。
「それはさせない!!」
その声の主は、ﾀﾋぬ気化した沢田君だった。
凄いスピードで空を駆ける沢田君は、ゴーストに向かって相手の炎を吸収し自分の力に変換する技"零地点突破・改"を構えを取る。
吸収対吸収。
一体どうなってしまうんだろう。
個人的には是非とも沢田君が勝って欲しいとは思うが……今の私には祈ることしかできない。
沢田君がゴーストの纏う膜に触れた瞬間、物凄いパワーで吸い寄せられる。
踏ん張れば吸い寄せられることもないのだろうが、力の入らない私はなす術もなく吸われようとした時、ガッと何かが私を飛ばされ無いよう支えてくれた。
「大丈夫か?」
「山本君……ありがとう」
私を支えてくれたのは山本君だった。
彼のおかげで私は吸い込まれずにすんだが、沢田君はどうなったのだろう。
山本君から沢田君のほうを向くと、彼はゴーストを吸い込んでいる途中だった。
まるで掃除機に座れる塵の様に吸い込まれるゴーストは叫び声のような声をあげ、完全に吸い込まれた。
吸い込み終わった沢田君は空中でクルリと一回転し地面に降り立つ。
敵の消滅に周りは喜びの声が上がるが、私は何処か違和感を感じた。
「おかしい……」
「A?」
「あぁAの言う通りだ。零地点突破改は敵の炎を吸収し、自分の炎に返還する技だ。だが、ゴーストの炎を吸収し巨大化するするはずのツナの炎はほとんど変化していない……」
でも、ディーノさんの話だと一つの疑問が生まれる。
沢田君の吸収した炎、それにゴーストが吸収したこの場にい全員の炎は一体何処に行ったのかという疑問だ。
そんな疑問に包まれる中、上空からチョイスの時に聞いたあの声が落ちてきた。
言わずもがな、白蘭さんだ。
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年6月4日 0時
