２８２標的 嵐の弓矢 ページ32
「何だぁ? そのへなちょこなパンチは」
「クッ!」
私はすぐに敵から距離を離し次の攻撃を仕掛けるが、それのどれもが防がれてしまう。
反射神経のレベルじゃない、その見切りに私は嫌な予感を感じた。
「まさか、白蘭さんは妖怪の力もパラレルワールドで攻略しているの?」
「そのまさかだバーロー! 白蘭様に出来ないことはねぇ!!」
そう言い、ザクロさんは私の一瞬の隙を見抜いて超高速で距離をつめて攻撃してきた。
避けることもガードすることも出来ず、私はなす術がなかった。
「グファッ!」
「A!!」
「なっさけねぇなぁ! バーロー!!」
「あ゛ぁ゛!!」
抵抗もできず私は、敵の攻撃をまともに受けて木に向かって投げつけられた。
背中と頭を強打し危うく意識を失いかける。
意識は何とか保てたが、気力も体力も著しく低下したのか兄さんの手によって憑依も解除されもう動き戦う事は出来ない。
「A! っのやろう!!」
激昂した獄寺君が腕に固定した火炎放射器でザクロさんに向かって嵐のﾀﾋぬ気の炎を放出させる。
しかし、その攻撃も敵は片手で簡単に防ぐ。
そして、獄寺君はボンゴレ匣を
昨晩リボーン君から聞いた話だと、初代嵐の守護者であるＧという人は普段の戦いでは使い慣れた拳銃を使用しているが、プリーモからの直接の依頼にはプリーモから譲り受けたある武器を使い負けなしだったという。
そして、私はその武器を知っている。
あの武器は……Ｇの
獄寺君は
しかし、事前に投与させた薬の効き目が切れてきたのか獄寺君の表情が歪んでいく。
「おせーぞバーロー!!」
「グァッ!!」
敵の膝蹴りが獄寺君にクリーンヒットし、彼の体が空に浮かぶ。
しかし獄寺君は空で態勢を整えて、武器を構え攻撃する。
「果てろ!! ガトリングアロー!!!」
「てめぇっ!!」
ザクロさんの両腕に四本の矢が突き刺さるが、敵は自身に纏わせている嵐の炎で粉砕した。
そんな芸当ができるなんて、彼は本当に人間を超越している。
「あっけなくくたばれ!!」
激怒するザクロさんがそのまま真正面に突っ込んでいくかと思ったが、途端に冷静になり獄寺君の真後ろに高速移動する。
後ろを取られた獄寺君はすぐに後ろを振り向こうとするが、腰が痛むのか回れていない。
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年6月4日 0時
