２５４標的 驚きのフィールドの段 ページ4
そんな光景を見つつ、立ち上がるともうもうと立ち込める霧の中から先程聞いた声が聞こえてくる。
声の正体は、白蘭さんだ。
「ようこそ、チョイス会場へ」
「びゃっ白蘭!? んなっ!?」
その声のした方を振り向いた沢田君が驚きの声をあげる。
それにつられるように、私も思わず声がこぼれた。
「こ、ここって……」
「超高層ビル群のド真ん中!!!」
私が言うよりも早く沢田君が声をあげる。
そして徐々に霧がはれていくと、そこには白蘭とその後ろに五人の人たちが姿を現した。
「何度も会っているような気がするけど、僕と会うのは初めてかい? 綱吉クンにAちゃん」
そう言って笑みを浮かべる白蘭さんに、私はただならぬ恐怖を覚える。
私と同じような恐怖を感じたのか、京子ちゃん達の表情が険しくなった。
そんな彼女達を庇うように、私はソッと彼女達の前に立つ。
「ここで戦闘をするからね。いいロケーションだと思わないかい?」
「こ、こんな人の多い所で戦えるわけないでしょ!!」
「そういうと思って人はぜーんぶよけといたよ。ここには僕ら以外人っ子一人いないんだ」
「……確かに、いないみたいだよ。沢田君」
「アハッ! 信用ないね〜僕」
私は目を閉じ仙蔵兄さんの千里眼を使ってみてみたが、白蘭さんの言う通り人の姿の影も形もなかった。
そして目を開け、楽し気に笑う白蘭さんを睨む。
その後、青髪の女の子の手が青色の炎を帯刃物のようなものに変化したり、それを化粧した男性が目にもとまらぬ速さで止めたりと、人間離れした様子を見せられ沢田君達はざわめきだす。
そして、不思議な形をしたルーレットでお互いに参加メンバーを決める。
ミルフィオーレ側には、晴れが一人、霧が二人、雲が一人の計四人。
ボンゴレ側には、大空が一人、雨が一人、嵐が一人、紋章の描かれていない四角が二人の計五人となった。
「あ、あれ? 月の属性マークが、ない?」
「そりゃあそうだよ。でも、ちゃーんとAちゃんの対戦相手は用意してるよ♪」
そう言い白蘭が片手をあげると、人の倍以上ある巨大な機械人形が四体姿を現した。
その機械人形を見たスパナさんが目を丸くしながら口を開く。
「す、ストゥラオ・モスカに、キング・モスカ!」
「そう。我がミルフィオーレファミリーの最高傑作であるこの三体のストゥラオ・モスカと一体のキング・モスカの計四体のモスカと戦ってもらうよAちゃん」
そういい笑う白蘭さんに私も負けじと笑顔で返してやる。
２５５標的 彼の欲しいものの段→←２５３標的 ついに来たの段
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年6月4日 0時
