252標的 炎のチケットの段 ページ2
「タヒぬ気の炎が接近している……バカでかい」
「何だって?」
「異様なスピードだ。ん……おかしいぞ。とっくにウチらの位置と重なって……!! 上」
そう言いバッと上を向くと、まるでカミナリ雲のようにどす黒い雲が渦を巻く様に大きくなる。
勿論、この雲は自然に発生した雲ではない。
そう確信した瞬間、雲の真ん中から光が私達に向かって照らされ巨大な人の顔が現れた。
「ひいいっ!! 何アレー!!」
「元気そうじゃん綱吉クン」
「びゃ、白蘭ー!?」
そう叫んだ沢田君に私はこの人の顔が今回の敵である白蘭さんだという事を知った。
そう思った瞬間、兄さん達がバッと私の盾になる様に前に出ると、白蘭さんはニッコリとした笑みで語り始める。
「アハハッ! 妖怪クン達に守られて、まるで妖怪の姫君みたいだねAちゃん」
「えっ!?」
「……人ならざるものが視えるというのは、あながち間違いではなさそうですね」
そう言いながら私は皆にも視えるように兄さん達に指示を出すと兄さん達はスゥッと姿を現した。
私には何も変わった風には見えないが、皆には何もない所から急に現れた妖怪たちに驚きの声をあげる。
兄さん達は全員漢数字の書かれた目が隠れるくらいの布をつけている為、他の皆に妖怪たちが義兄であることはバレていない筈だ。
「あれれ? 全員連れて来いと言ったのに揃ってないね」
「えっ、あ……それは……」
「まっいいか。本番で困るのは君達自身だからね」
「白蘭サンこそルール違反だ!! チョイスに使う基地ユニットとしてはその装置は大きすぎる!!」
焦りに満ちた表情でそう叫ぶ入江さんに白蘭は口元に笑みを残したまま口を開く。
白蘭さんが言うには、このメカは超炎リング転送システムと呼ばれる機械だと言うのだ。
転送、つまり戦いの場所は並盛ではないという事だ。
妖怪でもない機械でそんな事が出来るなんて……。
ただし、そのメカを稼働させるには莫大な炎が必要で、その炎をこちらで用意しろと言うのだ。
必要なのは、500万FV。
スパナさんが言うには、沢田君の必殺技であるXバーナーのMAXパワーの20倍だと言う。
そんな事をしたら、沢田君の炎なんてあっという間に枯渇してしまう。
もしそうなってしまったらもう戦いどころではなくなるじゃないか。
「あ、脅かすわけじゃないけどもし出来なかったら僕は君達に失望してこの町を……こうしちゃうかもね」
白蘭さんはそう言うと、目から光線を放射し並盛の北山を爆破した。
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2017年6月4日 0時