【忍たま×リボーン】うちの義兄は人間じゃない〜ヴァリアー編パート２〜【妖怪パロ】

１９２標的　光る拳の段 ページ42

「おぉ! 秋月ではないか!」

「さ、笹川先輩! もう動いて大丈夫なんですか?」

「あぁ! 沢田たちが戦っているのに俺だけ寝ているわけにはいかんからな。時に秋月はここで何をしておるのだ?」


笹川先輩は軽く首をかしげながらそう聞いてきた。
私は、今自分がやろうとしていたことを話すと先輩は。


「そう言うことなら俺に任せてくれ!」


と言って、自分が抱えていたランボ君を私に預け自分の腕に巻かれていた包帯を千切りとった。
そして深い深呼吸を繰り返し、足をしっかり地面に押し付ける。


「"極限太陽(マキシマムキャノン)"!!!」


彼の放った拳で一瞬のうちに体育館は瓦礫と化した。
光って見えた先輩の拳は、まさに"晴れ"そのものだった。


「ゴホッゴホッ」

「大丈夫か!?」

「あぁ。ドクロも無事だ!」


獄寺君と山本君の声が耳に入り、彼らが無事であることを知った。
流石、兄さんの計算。一寸も狂いはないようだ。


「まさか、今の一撃って!」

「まどろっこしいのは嫌いでな」

「笹川先輩! それにA!」

「遅くなってごめん!」


ようやく合流できたのと大きな怪我もない様子に安心して思わず顔が緩んでしまうが、意識してそれを抑える。
にやけを抑えた私は、笹川先輩やランボ君達の手当てをしはじめた。


「葛の葉。笹川先輩の怪我、思ったより深いみたいだから手当てしてくれる?」

"承知"


私がそう頼むと狐面を被った伊作兄さんはスゥッと姿を現し、手早く治療を施す。
治療を終えると兄さんは、早々に姿を消してしまった。


「むっ! 消えてしまったな。極限に礼を言いそびれてしまったぞ」

「大丈夫ですよ。葛の葉や他の妖怪たちは私にしか見えないようになっただけで、まだ傍にいますから」

「そうか! ならば、極限に礼を言うぞ!」


笹川先輩がそう言うと、伊作兄さんは少しばかり驚いたふうにしたが、すぐにいつもの様子に戻ってしまった。
そんな態度を見せる兄さんに、私はやれやれと肩をすくめる。


「おい。おめー十代目が今どこにいるか分かるか?」

「ん、ちょっと待って聞いてみる……どう?」

"……沢田綱吉は運動場でザンザスを凍らせている。だが、全てのリングが敵の手元にある以上、油断は出来んぞ"


私は仙蔵兄さんが言ったことをそのまま獄寺君達に伝え、急いで沢田君達がいる運動場へと向かった。

１９３標的　耳を疑いたくなる真実の段→←１９１標的　こんな時に喧嘩なんての段

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す