１８７標的 毒薬の処置の段 ページ37
雲雀さんの三歩後ろをたもちながら、フィールドである運動場へとたどり着いた。
運動場にはとても大きなポールが設置してある。
そのあまりの大きさに密かに驚いていると、チェルベッロ機関の声が辺りに響く。
「各フィールドに設けられたポールの頂上にはフィールドと同じ種類のリングが置いてあります」
「なお秋月様のリングに限っては、雲の守護者のリングと一緒に置いてあります」
そりゃあそうなるでしょうね、と心の中でツッコミを入れた次の瞬間リストバンドを巻いた手首に鋭い痛みが走る。
そして、次は身体の中から焼けつくような熱さと痛みが私を襲う。
あまりの痛みに立つことも出来なくなった私は、そのまま崩れるように地面に倒れた。
「く……あぁっ……!」
"A! 伊作なんの毒か分かるか"
"ちょっと待って……これは、デスヒーター!? チェルベッロの奴、よりにもよってこんな毒を選ぶなんて"
"それよりも善法寺先輩! 解毒薬を早くAに"
"そ、そうだね!"
燃えるような痛みに耐えながら薄く目を開けると、私の周りに十六の影が心配そうに私を見下ろす。
その中で伊作兄さんは何かを念じたあと、私の胸元に手を当てると今の今まで私を襲っていた熱さや痛みが嘘みたいに綺麗さっぱり消えた。
「あ、れ………?」
"大丈夫かい? 今、解毒薬を投与したからもう大丈夫。でもそのリストバンドがいつ次の毒を注入するか分からないから、リングでもう一度解毒薬を注入するんだ"
「わ、分かった」
伊作兄さんにそう促され私は少しふらつく足に喝を入れつつ立ち上がる。
ふと、横を見ると苦しそうに眉をひそめる雲雀さんの姿が視界に入った。
「鎌鼬、風を起こして。向きは上へ」
"承知したっ!"
小平太兄さんにそう伝えると、彼は手早く風を作り私を勢いよく上空へと飛ばした。
あっという間にポールの頂上をちょっと過ぎたぐらいまで飛び、少し遅くなったスピードでポールの頂点へと降り立つ。
頂点には二つのリングがコロンと無造作に置かれている。
私は迷うことなく自分のリングを拾い上げリストバンドの凹みにリングを差し込んだ。
するとリストバンドからプシュッという軽い音が耳に入る。
「さて、早く雲のリングを雲雀さんに渡さないと」
そう思い雲のリングに手を伸ばしたその瞬間、ドゴォッと言う衝撃音とともに激しい揺れを見に感じた。
すぐさま体勢を立て直し、下を見ると雲雀さんがふらつきながらトンファーをこのポールに叩きつけていた。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます!ここの所更新が思うように進まず申し訳ありません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします_(._.)_ (2017年4月16日 22時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年4月15日 21時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - かえさん» コメントありがとうございます！ かえ様のお言葉大変嬉しく思います！ これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますm(._.)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
かえ - とっても面白いです！更新楽しみにしています。 (2017年2月26日 23時) (レス) id: ad74bb0de7 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! 誰オチエンドにするか、また別のエンドにするかいまだに悩んでいるので今の段階で誰オチと言う事が出来ません。こんな作品でも最後まで見て頂ければ心から嬉しく思います。本当に申し訳ありません。 (2017年2月17日 23時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年2月13日 15時
