161標的 幻覚汚染の段 ページ11
「つまり、クロームちゃんと彼は表裏一体ってことだよ」
「ひ、表裏一体?」
「A、ツナに言っても無駄だぞ」
ハァとため息をつくリボーン君に沢田君の「う、煩いッ」という言葉が飛ぶ。
私はハハハと軽く笑い、前を向いた。
「さぁどうします? アルコバレーノ。ノロノロしているとグサリ……ですよ」
「ムゥッ!! 図に乗るな!!」
六道さんの挑発に怒った彼は自分の体を縛りつける蓮のツルの拘束から抜け出し自分の体を分身させ攻撃に移るが、六道さんは華麗な手つきで武器を操り幻覚の敵をなぎ倒していく。
「あの目の炎は! 格闘
沢田君の言葉にマーモンさんは息を荒げながら格闘の出来る術士は邪道だと叫んだ。
そんな彼の顔には焦りからか大量の汗がにじみ出ている。
「輪廻だって僕は認めるものか!!」
「ほぅ」
「人間は何度も同じ人生を無限にくり返すのさ。だから僕は集めるんだ!! 金をね!!」
マーモンさんがそう言った瞬間、体育館全体がグニャリと歪み始めた。
まるで水に浮かぶ船の上にいるようにフラフラと足元がおぼつかなくなる。
「クハハ!! 強欲のアルコバレーノですか、面白い……だが、欲なら僕も負けません」
そう言い武器を構えた瞬間歪んだ空間のあちらこちらに巨大な火柱が噴き出した。
クロームちゃんの幻覚も凄いが、彼の実力はまさに折り紙付きである。
しかし、なんだこの気持ち悪さは。
胃の中の物がせりあがってくるような吐き気に酷い頭痛。
気を抜いたら、そのままリバースしてしまうぐらいの気持ち悪さだ。
この症状に見舞われたのは私だけでなく山本君や獄寺君等他の人たちも私と同じような症状に襲われている。
それでも前を見ると、火柱が一瞬に凍り付き辺りの温度は急激に下がった。
「うぅ……頭がっ……!!」
「ツナ?」
「十代目!!」
「沢田ッ!」
沢田君の呻き声と獄寺君達の声に横を向くと、沢田君が頭を両手で抱え苦しそうに顔を俯かせていた。
私は吐き気を抑えながら彼に近づき、静かに声をかける。
「頭が、割れそうだ……」
「沢田君、落ち着いて」
そう言いながら彼の肩に触れると、その瞬間何かが私の頭の中に入り込み先ほどの頭痛とは比べ物にならないほどの頭痛に襲われる。
だが、ここで私も声をあげたら無駄に皆を心配させてしまうと思い、必死で痛みに耐える。
耐える為閉じていた目を開けると、そこは見たこともない光景が広がっていた。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます!ここの所更新が思うように進まず申し訳ありません。これからも頑張りますのでよろしくお願いします_(._.)_ (2017年4月16日 22時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年4月15日 21時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - かえさん» コメントありがとうございます! かえ様のお言葉大変嬉しく思います! これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますm(._.)m (2017年2月26日 23時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
かえ - とっても面白いです!更新楽しみにしています。 (2017年2月26日 23時) (レス) id: ad74bb0de7 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! 誰オチエンドにするか、また別のエンドにするかいまだに悩んでいるので今の段階で誰オチと言う事が出来ません。こんな作品でも最後まで見て頂ければ心から嬉しく思います。本当に申し訳ありません。 (2017年2月17日 23時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長月シキカ | 作成日時:2017年2月13日 15時