６０標的 友の目的の段 ページ10
「骸さん?」
「その女性を少し調べてきます。犬、千種の事頼みますよ」
骸は犬と呼んだ青年にそう言うと薄暗い部屋の外へと向かった。
＊＊＊＊＊＊
「何年も手入されてないせいか木々が凄いね」
「そうだな。足元には気を付けろよ」
私達は緑が覆い茂る林の中を広大な敷地内にそびえ立つ建物を目指しガサガサと前に進んでいく。
今私達がいる場所からも微量ながら怨霊の気配はするが、彼らの巣となっているのは恐らくあの建物だろう。
「〜〜、〜〜っ!」
「ん? なにか話し声が聞こえる」
「この声は……Aのクラスの奴らだな」
兵助兄さんがそう言うので、私も全神経を耳に集中させ聞いてみると確かに沢田君達の声だった。
それより、なんでこんなところに沢田君が?
私は疑問に思い彼らの声がするところまで戻り、彼らと顔を合わせた。
「沢田君! どうしてここに? 学校は?」
「A!?」
「おめぇこそなんでこんなとこに一人でいんだよ! あぶねーからさっさと帰れっ!」
「獄寺の言う通りだぜ、A」
いつも以上に眉間にしわを寄せそう言う獄寺君達に私は言葉を返す。
ちなみに妖怪本来の姿になっている兄さんの姿は普通の人には見えない。
だから、彼らには私一人しかいないように見えるのだ。
「それはこっちのセリフだよ。君たちは早くこの施設から離れた方がいい」
「え、も、もしかしてAも六道骸を探してるの!?」
「ろくどう……むくろ? なにそれ。人の名前みたいだけど」
聞いたこともない言葉の羅列に首を捻っていると、山本君の肩に乗っていたリボーン君がその小さな口を開いた。
「知らねぇならそれでいいが……じゃあお前は何しにここに来たんだ?」
「……私はここにいるあるものを鎮めに来たんだよ」
「あるもの? それは一体何なの?」
日本人ではなさそうな綺麗な女性が私に向かって言葉をかける。
私は、この人達に話そうとしたが、傍にいた兵助兄さんが私の肩に触れそれを制した。
兄さんが言うなという事を勝手に言うわけにはいかない。
そう結論づけ私は口を開いた。
「……ごめんなさい、それは言えません。じゃあ私急ぐんでっ!」
「ま、待ってよ! Aッ!!」
後ろから聞こえる友達の声を無視して私は再び林の奥へと駆け出した。
沢田君達に影響が出る前に、早く怨霊をなんとかしないと。
そう思う一心でひたすらに足を動かすのだった。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
