５７標的 私は知っているの段 ページ7
"黒曜ヘルシーランド"は隣町の黒曜町のある場所に建っている廃墟だ。
随分前は小さな動植物園やカラオケ、それに映画館もあって人気だったみたいだけど、その後潰れたとネットには書かれていた。
今私が歩いている道路は車が一台も通っていない。
きっと新しい道路が出来たから、車は皆そっちの方に行ったんだろう。
人気のない道路を歩き、プリントアウトした地図を手に向かっていると、錆びたバス停に消えかえた文字で黒曜ヘルシーランド前と書かれているのを発見した。
そのバス停から少し歩くと門で隔たれた広大な敷地が目に入る。
「着いた……ここが、"黒曜ヘルシーランド"か」
門の前だというのに既に嫌な気配を肌に感じる。
耳を澄ませば、風の音に紛れて小さな呻き声のような声も聞こえてくる。
おそらく、怨霊の怨嗟の声だろう。
私は意を決して錆びた門に手をかけよじ登る。
小さい頃から小平太兄さんと一緒に木登りをして遊んでいたからか、簡単に登ることが出来た。
スタッと地面に降り立ち辺りを確認する。
怨霊の気配はするが、人の気配はない。
私は昨夜の仙蔵兄さんと伊作兄さんの会話を思い出す。
「確か……兄さんたちは今回の怨霊は日本人じゃないって言ってた。だとしたらきっとこの廃墟には人がいるはず」
「そうだ。だからお前には知られたくなかったんだよ」
「っ!?」
私のすぐ後ろで聞きなれた声がして勢いよく振り向くと、形の良い眉をギュッとひそませ怖い顔をしている兵助兄さんが立っていた。
ヤバい……普段豆腐の事でしか怒らない兵助兄さんが物凄い顔して怒ってる。
「へ、兵助兄さん……これは、その……」
「……帰るよ。この件は俺達に任せるのだ」
兵助兄さんが私の手を掴み先ほど私が乗り越えた門に向かって歩き出そうした。
しかし、それは出来なかった。
何故なら私が兵助兄さんの手を振り払ったからだ。
「A……?」
「私、言ったよね……この世に未練を残しいまだこの世に縛られているﾀﾋ霊を出来るだけ助けたいって……なのにここで逃げたら意味ないじゃん!」
「……お前の覚悟はよく分かってる。だが今回は本当に危険なんだ!」
「この怨霊を連れてきたのは、きっと大量殺人を犯した人なんでしょ?」
私がそう言うと、兵助兄さんはどうしてそれをとでも言いたげな表情になる。
それに応える為私は、兵助兄さんの目を見て口を開いた。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
