９３標的 ﾀﾋぬ恐怖の段 ページ43
「よく聞け人間」
雲雀は自分の後ろから聞こえてきた声にすぐさま反応し振り向いた瞬間、自分の首に手をかけられた。
首に手をかけられたまま、雲雀の足は徐々に地面から離れていく。
「かっ、はっ……!?」
「お前は自分の力に慢心し過ぎだ……お前はお前自身の限界を知れ。もう一度言おう。お前に私を殺す事は不可能だ」
「グッ……かはっ!」
小平太は少しずつ、そして確実に雲雀の気道を絞めていく。
苦し気に顔を歪ませる雲雀などお構いなしに、小平太はさらに雲雀の首を絞めながら言葉を続けた。
「最期に言っておこう。私や他の奴らは私達に何かあろうともここまで怒りはしない。我々が本気で怒るのは……Aに何かあった時だけだ。それをゆめゆめ忘れるなよ」
「……!……っ!」
「まぁ、ﾀﾋに逝くお前にはもう関係のない事だったな……今、楽にしてやろう」
そう言い全身の力を込め雲雀の首をへし折ろうした時、その手に触れる別の手の存在に小平太は気が付いた。
それと同時に、自分を囲む他の兄弟のにも気が付く。
「……やめろ、小平太」
「長次か! 何故だ? コイツはAに危害を加えようとした奴だぞ?」
コテンと首を傾げながらそう言う小平太に長次は小さく、されどはっきりとした口調で小平太に語り掛ける。
「……Aが悲しむ」
「なんだ? Aはコイツがﾀﾋぬと悲しむのか?」
「……そうだ」
「そうか! 分かったぞ長次ッ!」
まるで子供の様なあっけらかんとした笑顔で小平太は力を込めていた手を離した。
支える手がいきなり首から離れた為、雲雀の体は重力に従い屋上の床に崩れ落ち、ゲホゲホとせき込んでいた。
そんな雲雀を心配する者はこの場に誰一人としていない。
「まったく、ここまで小平太がキレたのは一体何年ぶりだ?」
「ここ最近はなかったよね……でもまぁとにかく殺す寸前で間に合ってよかったよ!」
「あぁ、もし殺していたら、Aの涙が無駄になるところだったぞ……今度からもっと気をつけろ小平太」
「なははは! すまんすまんッ!」
「ほんっとう、先輩にはいつも驚かさせますよ」
「全くです」
雲雀は今目の前にいる十六人に、ただならぬ恐怖を感じた。
雲雀自身も自分が抱いた気持ちに驚いている。
しかし、彼は今までﾀﾋぬ恐怖という物を味わったことがないのだから当たり前と言えば当たり前だろう。
そんな中伊作は「あッ」と声をあげ、すぐに雲雀に近寄った。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
