８５標的 兄たちが学校にやって来たの段 ページ35
「……私のとこなんて、全員だよ」
「ぜ、全員って……まさか」
「そう。そのまさかだよ。……うちの十六人の兄たちが授業参観に来るんだよ」
ハァと大きなため息を零しながらそう言うと、沢田君は何とも言えない表情を浮かべる。
今この場の空気が何とも言えない空気になってしまったが、そんな空気を打ち破ったのはある人物だった。
「へ〜。Aちゃんには十六人ものお兄さんがいるんだね」
「し、知らなかったわ」
「まぁ、言ってなかったからね。あ、別に隠そうとかそんなんじゃないから! 兄といっても義理の兄だからね」
「えっ? あ、ごめんね」
京子ちゃんがしょぼんと悲し気に眉を下げるのを見て、私は焦りながら言葉を続けた。
こんな可愛い子になんて顔をさせるんだ私は!
「別に気にしないでよ京子ちゃん! 彼らは私を本当の妹のように可愛がってくれるし、私も彼らが兄で幸せだから!」
自分で言ってて少々恥ずかしいが、京子ちゃんは納得したようで悲しげな表情からいつものカワイらしい笑顔に戻った。
「おーい皆席に着け―」
担任の先生がそう言葉をかけながら教室に入ってくるのを見て、私の周りにいた京子ちゃん達は私に一声かけてそれから自分の席に戻っていった。
それからいつものようにホームルームが始まり、いつものように授業が始まるのだった。
本日の授業参観が始まるのは午後からだ。
＊＊＊＊＊＊
午前中の授業が終わり、待ちに待ったお昼ご飯の時間になった。
私はいつものメンバーでお弁当を食べようとすると、教室にいた女子生徒たちが校庭の方を見ながら黄色い声をあげる。
……あぁ、来たんだな。
私はそう思い、綺麗に焼かれた卵焼きを食べながら窓の外を見た。
そんな私の後ろを京子ちゃんと花ちゃんもついて来て、私と同じように窓越しに外を見ると「どの人?」と私に聞いてくる。
「あの……三グループに分かれてる人達が、私の兄さん達だよ」
私は六人と五人、そしてまた五人のグループを指さす。
指さしながら彼らの様子を確認すると、六人グループには留三郎兄さんと文次郎兄さんが軽く睨み合い、そんな二人に呆れた風に息をもらす伊作兄さんと仙蔵兄さん。
そして、本を読みながら歩く長次兄さんと楽しそうに笑みを浮かべる小平太兄さんが。
五人グループには、兵助兄さん達が楽し気に会話している姿が。
もう一つの五人グループは、それぞれ個性的だった。
そんな彼らの周りには、顔を赤く染めた人たちが多く見える。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
