７８標的 機嫌が悪くなる兄の段 ページ28
その後新しい担任の先生が教室に入るとホームルームが始まる。
そこでこれまた新しい学級委員長を決めることになったが、一年前とは違いすぐに立候補者が名乗りを上げ、その人が学級委員長になった。
私は内心ラッキーと思い、無意識のうちに小さく笑みをこぼしていた。
今年、学級委員長じゃなくなったしこの一年は放課後遊んだり、早く帰れたり出来るぞ。
「これから一年間、クラスの皆の為に頑張ります!」
新しい学級委員長になった男子生徒が礼儀正しくペコッと頭を下げるとチラホラと拍手が飛び交う。
「じゃあ、これでホームルームは終わるぞ。今日はこれで学校は終わりだが明日はちゃんと授業があるから全員忘れるなよ〜」
「きり〜つ、れ〜い」
「ありがとうございました」
恒例の号令も終わり、教室内が帰宅ムードにあふれる。
さて、私も帰るか。
そう思い軽い鞄を持って京子ちゃん達に別れの挨拶を言って教室を後にする。
喜八郎兄さんと穴掘りをする約束だし、はやく帰んないと。
＊＊＊＊＊＊
「ただいま〜」
「おかえりA」
帰宅した私を出迎えたのは踏子ちゃんを手にした喜八郎兄さんだった。
喜八郎兄さんは私を目に映すといつもの無表情から笑顔に変え私に抱き着く。
急に抱きしめられた為少々バランスを崩しそうになるのを必死にこらえ耐えた。
「喜八郎兄さん、今日は汚れてないみたいだけど穴掘りはどうしたの?」
「Aが一緒にやってくれるって言うから、待ってたんだよ。さぁ早く行こうよ!」
喜々とした表情で私の手を引く喜八郎兄さんを私が制すると、喜八郎兄さんはコテンと首を傾げ「なんで?」とでも言いたげな表情を浮かべている。
「穴掘りはお昼食べた後にしようよ。ほら、もうお昼近い時間になるし、私今日当番だし」
「……」
私がそう言うと喜八郎兄さんは笑顔からムッとした表情に変わる。
やばい。これで兄さんの機嫌が悪くなったら、庭中が蛸壺だらけになってしまう。
そんな事になっては兄妹一不運な伊作兄さんが家の中に入れなくなる。
そう思い、私は言葉を紡ぎだした。
「今日のお昼ご飯は兄さんの食べたいご飯にするから、ね?」
「……じゃあデザートにプリン、作ってよ」
「いいけど、買ったプリンじゃなくていいの? 私、長次兄さんみたいに上手く作れないよ」
「Aの作ったプリンが食べたいんだよ」
「分かった、分かったよ」
今にも拗ねそうな兄さんをどうにか宥め、私はキッチンへと向かう。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
