７６標的 新しい学年の段 ページ26
黒曜での出来事から月日は流れ、早くも季節は春になった。
家の庭に植えている大きな桜の木も満開を迎え、私は清々しい気持ちで学校に向かう準備をする。
「A忘れ物はないか?」
「お前はそそっかしい所があるからな」
「大丈夫だよ。滝夜叉丸兄さん、三木エ門兄さん」
二人の兄が心配するように声をかけ、私は鞄の中や自分の左腕につけているブレスレットを確認して、そう答えた。
まぁ三木エ門兄さんの言う通り、私はそそっかしいようで兄さん達がこうやって声をかけてくれるのはとてもありがたい。
「ねぇ、A。学校なんて行かないで僕と一緒に穴掘りしようよ」
「そんな無茶なこと言わないでよ喜八郎兄さん。また帰ってきたら穴掘りするから」
私がそう言うと、喜八郎兄さんは踏鋤の踏子ちゃんを握ったままプゥと頬を膨らませる。
春休みだからって、兄さんの趣味に付き合いすぎたかな。
「あ、A。ちょっと動かないでね」
タカ丸兄さんはそう言いながら、私の髪の毛に触れ器用にそして素早く直してくれた。
いつもはタカ丸兄さんに髪をしてくれるのだが、流石に二年生にもなってやってもらうのもどうかと思い、今日は一人でやってみたがやっぱり上手に出来なかったか。
「はい、コレでいいよ」
「ありがとう、タカ丸兄さん。やっぱり兄さんみたいに最初っから上手くは出来ないね」
「あはは。誰だって初めから上手くいくことなんてないよ。今度やり方教えるから一緒に練習しよう」
「うん! っと、そろそろ行かなきゃ遅刻しちゃう」
「そうだな。じゃあA気を付けて行けよ!」
そう言う守一郎兄さん達に行ってきますと声をかけ家を後にした。
少々、時間がおしている為駆け足でいつもの通学路を駆ける。
そのおかげか遅刻するなく学校の門をくぐることが出来た。
さて、私のクラスは……。
「……Ｃ組か。京子ちゃんや花ちゃんと離れちゃったな」
二人と離れるのは少し寂しいけどしょうがないよね。
しかし、沢田君達も面白いくらいに離れているな。
まぁあの三人組とは黒曜の時以来、あまり接してなかったし一緒のクラスだったら気まずかったから良かったちゃぁ良かったのかな。
いや、勿論話かけられたら普通に話したりしていたし、そんなあからさまに避けてはいない……はず。
って、私は誰に向かって言い訳してんだよ。
と一人ごちて私は新しいクラスに足を運んだ。
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
