７１標的 私は最低だの段 ページ21
「ボンゴレッ! 何をしたっ?」
「お、俺はなにも……」
六道骸が叫ぶのも無理はない。
緑色の球体がまばゆい光を放ちながら天井近くまで浮き上がったかと思ったら、細い糸の様な物を無数に張り巡らせる。
まるで昆虫の繭みたいだ。
リボーン君の言葉を聞くとどうやらあの球体はレオンと言う彼の相棒らしい。
確かに、彼の帽子にはちっちゃなカメレオンが乗っていた覚えがある。
そのカメレオンの羽化が今の状態らしい。
……羽化するっけ? カメレオンって。
いや、そんな事は今はどうでもいい。
「どうやら、あのカメレオン何か吐き出すみたいだぞ」
「えっ!?」
兵助兄さんがそう言い天井を見たが、そこにはすでに六道骸の手によって切り裂かれべチャッと音を立てて落ちるカメレオンの姿があった。
まさか、ﾀﾋんだ……?
「いや、あのカメレオンは特殊でな。形状記憶カメレオンと言ってあれくらいじゃﾀﾋにはしない」
「形状記憶……カメレオン?」
そんな生物がこの世にいるとは、動物好きである八左ヱ門兄さんが知ったら喜びそうだ。
しかし、この兄はよく知っているな。
まぁ、長い事生きているしそういうもんなのだろう。
そんな思考に気をやっていると、耳をつんざくほどの爆発音が聞こえてきた。
すぐにその音の方へ目をやると、そこにはぐったりと倒れる沢田君の姿が目に入る。
爆発音的に彼に爆弾を投げつけられたのだろう。
辺りには火薬の匂いが漂い私はその匂いに酔いそうになる。
それと同時に恐ろしくなった。
そんな私の感情を読み解かれたのか兵助兄さんが私に声をかける。
「怖いか? A……だけど、それがマフィアの世界というものなのだ」
「……うん」
兵助兄さんの言う事に私は小さく頷いた。
いや、頷くことしか"出来なかった"。
私は元々、痛いのも怖いのも苦手な人間だ。
そんな私が、マフィアの世界になんて……到底無理だ。
現に今の沢田君を助けたいという気持ちはあれど、"変わってあげたい"という気持ちは湧いてこないのだ。
……最低だな、私っていう人間は。
そう自己嫌悪に陥っている私に、兵助兄さんは優しく頭を撫でて声をかけてくれる。
「誰だってそう思うのが当たり前なんだ。だからAがそんなに落ち込む必要はないんだよ」
そう言う兵助兄さんに私はなにも答えることが出来ず、ただ目の前の光景を眺めるだけしか出来なかった。
７２標的 非人道的な行為の段→←７０標的 マフィアの禁弾の段
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長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! リクエスト通りに書けたか心配してましたが、ニャン将様に喜んでいただけて私も心から嬉しく思います!! これからも頑張りますのでよろしくお願い致します_(._.)_ (2017年1月26日 12時) (
レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 長月シキカさん» 読ませていただきましたああぁぁあ! もうなんと御礼をもうしたらいいか分かりません!! これからも応援させていただきます! (2017年1月26日 1時) (レス) id: f1e49753f8 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» リクエストされていたお話が出来ましたので閲覧していただければ幸いです＾＾ (2017年1月19日 20時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしてます! (2017年1月11日 18時) (レス) id: 74292a2e84 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - ニャン将さん» コメントありがとうございます! ニャン将様のリクエスト是非受けさせてもらいます＾＾ 話しの都合上番外編として書かせていただきます。 リクエストありがとうございます_(._.)_ (2017年1月11日 18時) (レス) id: 638c65a19d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月6日 22時
