２４馬鹿 ◎昼下がりの出来事１ ページ24
あるのんびりとした昼下がり私はのんびりと縁側でお茶を飲んでいる私はほぅと息を吐いた。
今日は事務室以外はとくに騒ぎはなく平和なものだ。
ちなみに事務室は秀作がぶちまけた書類や墨汁などの掃除に追われている。
私も手伝おうかと進言したが吉野先生がそれを許可してくれなく私はこうして暇しているのだ。
「しっかし、今日は本当に暇だな〜」
「じゃあ私の相手をしてくれないかい?」
「!?…お前はいつになったら人の言う事を聞いてくれるんだろうな…雑渡」
「やぁ」
「やぁじゃねえよ、この暇人」
「その言葉そっくりそのまま君に返すよ」
そう言いながら当たり前のように私の隣に座るのはタソガレドキ忍者隊忍び組頭の雑渡昆奈門である。
こいつは何故か私にちょっかいをかけてくる暇な奴だ。
「悪いがお前に出す茶はねぇからな」
「いいよ、自分の分あるし」
自分の懐から取り出した竹筒に刺さっているぶっといストローに口をつける雑渡。
いつも思うがこいつのこの飲み方、飲みにくくねぇのか?
こう思った時どうやら私は無意識に雑渡を見つめていたらしく雑渡は片方しか残っていない目を弧に歪ませて見せる。
「何?私に惚れたかい?」
「それはないから安心しろ…てかお前ぐらいの男なら引く手あまただろうに、私なんかに構ってんじゃねぇよ」
「そんなに言うほど私はモテないよ…こんな姿だしね」
「あぁ包帯の事か?…別に詮索する気はないが、別にそんなのは関係ないんじゃないか?人は外見より中身だろ?」
「……じゃあ君は全身火傷だらけの醜い皮膚を持った男を愛せるかい?」
そう言った雑渡の表情はいつものくえない表情ではなく今まで見たこともない真剣な目で私を射抜く。
その目が何処か悲し気な色を浮かべている気がして私は持っていたお茶を一口飲んで雑渡の目を見て言葉を紡ぎだした。
「そいつの性格を知らねぇと何とも言えんが、普通にいい人なら私は愛せる」
「!!」
言葉を紡ぎ終わるまで雑渡の目から目を離すことはしなかった。
だが流石にあまりにもひどい顔なら私も考えるがな。
まぁ好きという感情があるならどうともないのだろう。
……そんな感情今まで持ったことないがな。
「君は本当に…敵わないな」
「それは褒めてんのかよ…まぁいっか、ところでお前ケガしてねぇか?」
「?あぁ、これのことかな?任務の時引っかけたんだろう、よく分かったね」
そう言い雑渡は怪我をした所を見せる。
見たところ深そうだが。
２５馬鹿 ◎昼下がりの出来事２→←２３馬鹿 ◎団子屋でアルバイト終
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2016年9月25日 23時
