49話 ページ49
あの携帯越しの男の声からそうではないかと思っていましたが、やはりそうでしたか。
私は担当医の話を聞きながら、そう思いました。
担当医の方から今回の彼女の診断書を貰い、私は怒れるゾロアと共にAの勤務先へと向かいました。
電車に乗り、そして降りる。
見慣れない町へとたどり着いた私とゾロアは担当医の方から教えていただいた勤務先の住所を書いたメモを見ながら歩きます。
メモを頼りにたどり着いたビルの前で立ち止まり、私はそのビルを見上げます。
このビルの三階に、彼女の働く会社が入っていると聞きました。
私は意を決し、ゾロアを肩に乗せビルの中へと足を踏み入れる。
会社のあるフロアに向かい、私は上司らしき人物が座るデスクの前へと歩んでいく。
なにやら周りが騒がしいような気がしますが、今の私の目的は上司ですから気にはしません。
「失礼」
「あ˝ぁ? 誰、だ……?」
目の前の小太りの男が眉間に皺を寄せパソコンからこちらに目を向けると、驚きから目を丸くしている。
テカテカとした寂しい頭に蛍光灯の光が反射するのを視界にいれながら、私は口を開きました。
「お初にお目にかかります。私、サブウェイマスターのノボリと申します。此度は、こちらで働いているAの件でお話があって参りました」
そう言いながら私は、背筋を伸ばし軽く頭を下げました。
相手が座っているため、必然的に私が相手を見下ろす体勢になります。
これはクダリが言っていたことですが、私の顔で見下ろされると少々恐怖を抱くよう感じられるそうです。
なので、小さなお客様に対応する際には相手を怖がらせないよう膝を折り対応するようにいつも心がけています。
ですが、目の前の男にそのような配慮をする気は毛頭ございません。
せいぜい怖がればよろしいかと思います。
「あいつの? な、なんでサブウェイマスターが」
「実を申しますと。彼女とは古い友人でしてね……時に貴方」
男を見下ろしながら眉を顰め目を細めてそう言うと、男はびくりと肩を震わせました。
私、そんなに怖い顔なのでしょうか。まぁ良いでしょう。
「現在、彼女が入院していることはご存知ですよね」
「あ、あぁ」
「そんな彼女に、貴方はなんと仰いましたかね?」
「えっ、えっと……」
脂ぎった頬を掻きながら視線を左上に向ける男に、私は冷たい目で見下ろしました。
私は、人間は過去の記憶を思い出すときに視線を左に向けると何かで読んだことがあるのを思い出しました。
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長月シキカ(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます! サブマスの小説って確かに少ないですよね……。鶴媛様のお言葉を胸にこれからも精進致します! 閲覧感謝です♪ (2022年1月2日 0時) (
レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - サブマスが出てくる小説少ないので嬉しいです！！ (2022年1月1日 20時) (レス) @page50 id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - きりさん» コメントありがとうございます! 最近ハマったポケモンという舞台での拙い作品にそのように言っていただき本当に嬉しいです＾＾確かにBWの作品って最近ないですよね……きり様の言葉を励みに、これからも頑張ります!! 閲覧感謝です♪ (2021年12月18日 23時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
きり - あ、ごめんなさい。「擬態が」の部分はミスです💦 (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
きり - 初コメ失礼します。すっごく面白いです！ポケモン、特にBWの小説は最近全然ないので、久しぶりに見つけてすごく嬉しくなりました。 サブマスの2人、いいですよね……！ゾロアも擬態がとても可愛いし、読んでいてほっこりします。これからも更新頑張って下さい！ (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2021年11月28日 2時
