4話 ページ4
ぷつりと音を立てて真っ暗になった画面が鏡のようになり、そこには酷くやつれくたびれた女の酷い顔が写っていた。
こんな私でも、変われるだろうか。
自分のやつれた顔に手をやり、ぼんやりと目の前の鏡像を見つめる。
いや、変わるんだ。私に残された道はそれしかないのだから。
あの男の人に醜態を晒してしまった今の自分では絶対に対象外だが、少しでも着飾った自分なら一縷の望みはあるかもしれない。
諦めるのは、やることをやってからだ。
「……よしっ! いっちょやったるかっ!!」
気合の言葉と共に勢いよく自分の頬を両手で張る。
バチンッという乾いた音を耳に入れ、私は気合を入れた。
気合を入れた私は、自室をひっくり返してやっとこさ化粧道具を探し出した。
ブラック企業に就職して間もない頃はそれなりに化粧をしていたが、仕事量がえげつない現在ではばっちり化粧する時間があるなら出来る限り長く寝ていたい為、ここ最近ではファンデーションと色付きのリップクリームだけしか使っていない。
いつも使っている奴やつ以外の化粧道具を、目の前の小型のテーブルに置く。
メイク初心者だった頃、ネットにあった化粧道具の一式をそのまま購入していたので自室には必要な道具は揃っていた。
一年ぐらい使ってなかったから、化粧道具にはうっすらと埃が被っている。
その埃を見て、少し不安になった。
「そういや、化粧道具に使用期限ってあったっけ?」
開封前ならともかく、目の前のこれらは全て一度は使っているのだ。
気になった私は鞄に入れていた自分の携帯を手に取り、ネットの海に潜ってみた。
調べてみると、未開封なら製造日から三年、開封してあれば三か月から一年が処分の目安らしい。
コスメごとに期限は異なるが、今私の手元にあるものは確実に使用期限が過ぎているものばかりだ。
「……まぁ、奇跡的に明日は休みだし、コスメは明日買い揃えばいいか」
期限切れの化粧道具を使って肌荒れでもしたら、見るに堪えない顔がさらに見るに堪えないことになる。
そんなことは避けたいので、私は埃を被った化粧道具を全てゴミ箱に捨ててシャワー室へと足を向けた。
シャワーを浴びていつもより念入りにスキンケアをした私はベッドに横たわると、疲れと酒の力からかすぐにうとうとしはじめる私の脳裏に一つ疑問が沸いた。
そういやあの男の人、あの言葉以外にもなにか言っていたような気が。
そう思ったが、私は思い出す間もなく眠りに落ちてしまった。
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長月シキカ(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます! サブマスの小説って確かに少ないですよね……。鶴媛様のお言葉を胸にこれからも精進致します! 閲覧感謝です♪ (2022年1月2日 0時) (
レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - サブマスが出てくる小説少ないので嬉しいです！！ (2022年1月1日 20時) (レス) @page50 id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - きりさん» コメントありがとうございます! 最近ハマったポケモンという舞台での拙い作品にそのように言っていただき本当に嬉しいです＾＾確かにBWの作品って最近ないですよね……きり様の言葉を励みに、これからも頑張ります!! 閲覧感謝です♪ (2021年12月18日 23時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
きり - あ、ごめんなさい。「擬態が」の部分はミスです💦 (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
きり - 初コメ失礼します。すっごく面白いです！ポケモン、特にBWの小説は最近全然ないので、久しぶりに見つけてすごく嬉しくなりました。 サブマスの2人、いいですよね……！ゾロアも擬態がとても可愛いし、読んでいてほっこりします。これからも更新頑張って下さい！ (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2021年11月28日 2時
