28話 ページ28
奥へ進めど進めど、珍しいポケモンなんて見つからず僕たちはあてもなく森を彷徨った。
進むにつれ辺りはさらに暗くなってくるし、近くではポケモンたちが縄張り争いをしているのか時たま凄まじい衝撃音が聞こえてくる。
草陰に隠れていたが、目の前でペンドラー同士がバトルし始めた時は初めてポケモンを怖いと思ってしまうほどの衝撃だった。
そんな光景を見て今まで上がっていたテンションは降下していき、その代わりとでもいうように沸き上がる恐怖心から僕はノボリの手を強く握った。
数メートル先も見えないような真っ暗な森の中でポケモン達に見つからないようにしながら僕ら二人はお互いを抱きしめながら震える足でなんとか前へと進んだ。
よくよく考え直したら、あの時の僕らは間違って森の奥へと進んでいたように思う。
まぁ、僕らも小さかったからしょうがないか。
とまぁそんなこんなで森の中で迷子になってしまった僕とノボリだったが、そんな僕らに更なる不運が襲い掛かった。
「クダリ、止まりなさいっ!」
子供の足では歩きにくい道なき道を進んでいると、突然ノボリがそう叫んだ。
ノボリのその声で僕は立ち止まると、ノボリが叫んだ理由を理解した。
寸でのところで歩みを止めた僕らの目の前には、崖があったからだ。
すぐに僕達はその場を離れようとしたが、その瞬間地面が揺れるような強い衝撃を受けた。
このままじゃ危険だと僕がノボリの方へ顔を向けた時、僕は全身の血が引いたように感じた。
今でもたまに、夢に見ることがある。
まるでビデオのスローモーションみたいに、ゆっくりと崖から落ちていくノボリの姿。
思い返すだけでも、本当に肝が冷える思いだ。
僕はすぐにノボリを助けようと腕を伸ばしたけど、それが間に合うことなくノボリはそのまま真っ逆さまに崖から落ちていった。
余りの衝撃に一瞬我を忘れてしまったが、少しして聞こえてきたドサッという重い音に僕は正気に戻った。
すぐさま崖の下を見ると、そこにはぐったりとしたノボリの姿が目に入る。
奇跡的に草むらの上に落ちたからか血を流してはいないようだが、身動き一つしないノボリの姿に僕はさらにパニックになる。
助けようにも今ポケモンを持っていないし、崖を下りたとしてもノボリを担いでこの崖を上がれる自信がない。
どうしようと思っていたその時、後ろの方からガサガサと物音がした。
その音の方へ振り向くと、僕はまるで闇の中から光を見つけたような気がした。
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長月シキカ(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます! サブマスの小説って確かに少ないですよね……。鶴媛様のお言葉を胸にこれからも精進致します! 閲覧感謝です♪ (2022年1月2日 0時) (
レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - サブマスが出てくる小説少ないので嬉しいです！！ (2022年1月1日 20時) (レス) @page50 id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - きりさん» コメントありがとうございます! 最近ハマったポケモンという舞台での拙い作品にそのように言っていただき本当に嬉しいです＾＾確かにBWの作品って最近ないですよね……きり様の言葉を励みに、これからも頑張ります!! 閲覧感謝です♪ (2021年12月18日 23時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
きり - あ、ごめんなさい。「擬態が」の部分はミスです💦 (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
きり - 初コメ失礼します。すっごく面白いです！ポケモン、特にBWの小説は最近全然ないので、久しぶりに見つけてすごく嬉しくなりました。 サブマスの2人、いいですよね……！ゾロアも擬態がとても可愛いし、読んでいてほっこりします。これからも更新頑張って下さい！ (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2021年11月28日 2時
