11話 ページ11
「えっ? いなくなった?」
あのポケモンをポケモンセンターに連れていった翌日、珍しく残業をせずにすんだ私は再度ポケモンセンターに向かった。
そこでジョーイさんから申し訳なさそうに告げられた言葉に、私は首を傾げた。
昨日、あれだけ暴れまくっていたあのポケモン。
ググッと深く噛みついていたポケモンだったが、お腹がすいていると思い昼ご飯の残りのパンをやったら以外にもすんなり食べてくれたのは記憶に新しい。
そんな子がいなくなってしまったとは……。
「本当に申し訳ありません。怪我を治療して栄養剤を投与し終わって少し目を離してしまい……気づいたら既に姿がみえなくて」
「そうなんですか……」
心底申し訳なさそうに頭を下げる彼女に、私は慌てて両手を振る。
忙しい一日を過ごしたせいか、両手につけた絆創膏の端がめくれかかっている。
「いや、いいんです。そもそもあのポケモンは、私の手持ちではないですし……あのポケモンはちゃんと元気になったんですよね?」
「えぇ。体の怪我も完治しましたし栄養剤も投与してますから、元気にはなってますよ」
「なら大丈夫です。心配だったので安心しました」
それが分かればもうここにいる理由もない。
ジョーイさんに軽く挨拶をしてから私は、早々にポケモンセンターを後にした。
スーツのポケットに手を入れ中の物を握りながら、暗い道を歩いていく。
足を動かしながら、帰宅後のことを考える。
今日は早く帰れたし、ゆっくり自分磨きの情報収集するのもいいかもしれない。
いや、久しぶりに早く寝るのも悪くない。
なんてことを考えながら、見慣れたアパートへとたどり着く。
カンカンと錆びついた階段とパンプスがぶつかる音が辺りに小さく響いた。
その音を聞きながら、私は自身の部屋のドアに鍵を突っ込んでドアを開ける。
何の変哲もない自分の部屋のベッドの上に自身の鞄を放り投げ、シャワーを浴びようと風呂場へと向かった。
化粧を落としシャワーを浴び終え自室へと戻った私は、一つの異変に気付く。
「……なんだ? この音」
異変というのは、このカリカリと何かを引っ掻くような音だ。
変質者かなんかかとも思ったがこのアパートは二階建てだから、その線は薄いだろう。
一応、この部屋の近くにはこのアパートを優に超える木が生えているが、あの弱弱しい木を大人が登るのはちょっと厳しいかもしれない。
なら、この音はなんなんだ?
私は神経を集中させ、音の出所を探してみた。
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長月シキカ(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます! サブマスの小説って確かに少ないですよね……。鶴媛様のお言葉を胸にこれからも精進致します! 閲覧感謝です♪ (2022年1月2日 0時) (
レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - サブマスが出てくる小説少ないので嬉しいです！！ (2022年1月1日 20時) (レス) @page50 id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - きりさん» コメントありがとうございます! 最近ハマったポケモンという舞台での拙い作品にそのように言っていただき本当に嬉しいです＾＾確かにBWの作品って最近ないですよね……きり様の言葉を励みに、これからも頑張ります!! 閲覧感謝です♪ (2021年12月18日 23時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
きり - あ、ごめんなさい。「擬態が」の部分はミスです💦 (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
きり - 初コメ失礼します。すっごく面白いです！ポケモン、特にBWの小説は最近全然ないので、久しぶりに見つけてすごく嬉しくなりました。 サブマスの2人、いいですよね……！ゾロアも擬態がとても可愛いし、読んでいてほっこりします。これからも更新頑張って下さい！ (2021年12月18日 22時) (レス) id: dee96936d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2021年11月28日 2時
