３９無個性 ページ39
それから私は校長から夢彦に学内を案内するよう言われ、その指示に従う。
夢彦は雄英のOBではない為、初めて足を踏み入れた学内に終始興奮しっぱなしだ。
途中で移動教室の移動中の生徒や休み時間に廊下で談笑していた生徒達に夢彦の事を紹介しつつ、学内を見て回っているとあっという間に特別授業まで一時間をきった。
「あら、そろそろ準備しなきゃいけない時間ね」
「それなら、自分も手伝うっスよ」
腕につけた腕時計に目を向ける夢彦にそう申し出るが、彼はそれをやんわりと断る。
「ありがとう。アンタの申し出は嬉しいけど、アンタも自分の仕事があるでしょう? だから手伝いはいらないわ」
「そうっスか。分かったっス」
「じゃあ、このまま準備に向かわせてもらうわね」
「了解っス。場所は大丈夫っスか?」
こんな広い学内で迷子になられても困る為そう聞くと、場所は把握していると言葉を返した。
そんな夢彦の言葉を信じ、私は仕事に向かおうとする。
しかし、そんな私を夢彦は私の名前を呼ぶことでとめた。
夢彦に背を向けていた私は振り返り、彼の姿を視界に入れる。
目に映る夢彦の表情は、今日見せた表情の中で一番真剣な表情だった。
「ど、どうしたんスか?」
夢彦の真剣な表情に私は少しだけ言葉を詰まらせてしまう。
しかし、彼はそんな事を気にする事なく言葉を紡いだ。
「今日の、そうね。……今日の放課後に大事な話があるの」
「大事な……話?」
「そう。アンタにとって、とっても大事な話なのよ」
特別授業が終わった後、職員室に迎えに来る、と言い夢彦は私に背を向けてカツカツと革靴のかかとを鳴らしながら歩む。
周りに誰もいない廊下に取り残された私は、先ほどの夢彦の言葉を頭の中で反芻した後、首をかしげた。
彼の言う"大事な話"というものに全く心当たりがないのだ。
「……ここで悩んでいてもしょうがない。とりあえず夢の言う通り、放課後を待つか」
そう決め、私はくるりと方向転換し足を踏み出した。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
