２７無個性 ページ27
私の言葉の続きが気になるマイク先輩の急かす声を聞きつつ、私は「あー」とか「えー」などの煮え切らない声をこぼす。
そうすることで先輩が痺れをきらし他の人に話を振ってくれるのではないかと少しばかり期待したが、私の期待は外れマイク先輩は私を見つめ続けた。
その視線に耐えきれなくなった私は、一つ息を吐いて自分が話そうとした続きの言葉を吐き出した。
「そ、それに……」
「それに?」
「……スーパーの特売の時か有利だなぁ、とか思っちゃったっス」
申し訳なさと恥ずかしさから言葉尻が小さくなり、目線も誰とも合わさないよう明後日の方向へむけそう言い終えると、周りが一瞬だけ静まり返ったがすぐに笑いが沸き上がる。
「スーパーの特売って。Aちゃんらしい理由ね」
「ぶっちゃけそれが本音だろっA」
ニヤニヤと笑みを浮かべこちらを見るマイク先輩に返す言葉が見つからず、私は視界の端に見えるエクトプラズム先輩に頭を下げつつ口を開いた。
「すみません、エクトプラズム先輩」
「構ワナイ。ソレニ秋嶋ラシクテ良イデハナイカ」
湯呑を手にしながらそう言ってくれる先輩にお礼の言葉と共に笑みを返していると、いつの間にか近くに来ていたマイク先輩が私の肩に腕を回してきた。
「ならなこの俺のはどうだっ?」
「マイク先輩の個性っスか? 使えたら敵を一掃するのに便利そうっスよね」
「まぁなっ!」
「じゃあAちゃん。私の個性はどうかしら?」
「ミッドナイト先輩の個性は、敵を無力化出来るっスからいいっスよね。でも自分も一緒になって寝ちゃいそうっス」
「確かに、私も個性出たての時はよく寝てたわ」
ミッドナイト先輩が昔を懐かしむかのように声色でそう言いながら私の頭を軽く撫でる。
それにならうようにマイク先輩も私の頭をガシガシと撫でてきた。
「マイク先輩、ちょっと痛いっスよ。てか身長縮んだらどうしてくれるんスか」
「こんなんで縮まねーよっ! あ、本当に縮むか試してみるか?」
ニヤリと悪い笑みを浮かべ私を見下ろすマイク先輩に、私は嫌な汗が背中を伝い落ちるのを感じた。
「いや、遠慮するっス」
「まぁ遠慮するなっ!」
「ぎ、イギャァァァァッ!!」
私の言葉もむなしく先輩はガシガシと頭を撫で繰り回し、職員室には私の悲鳴が木霊する。
結局マイク先輩の攻撃は、授業を終えて戻ってきた相澤先輩が止めるまで続けられ、そして何故かマイク先輩と一緒に私まで叱られるのだった。
解せぬ。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
