２３無個性 ページ23
通形君の成績の悪さは私も知っている。
以前、彼の担任教師にコーヒーを渡すときにチラリと通形君の答案用紙を見てしまった事があるがその点の低さに思わず二度見してしまったのは記憶に新しい。
「そういえばミリオ……今日も補習だったよね」
「あ、忘れてた! 今日は放課後自主練しようと思ってたのに〜」
「……待ってるから早く補習終わらせなよ。そのあと、自主練に付き合ってあげる」
お茶が入ったカップを持ちながらそう言う天喰君に通形君はパァと顔を明るくさせて笑みを浮かべ天喰君のほうを見る。
よく天喰君は通形君の笑顔を太陽と例えているが、今の彼の笑顔は確かに太陽のようである。
仲睦まじい彼らの姿にほっこりしつつ私は口を開いた。
「君達は本当に仲がいいっスね。二人ほど仲いい生徒は稀っスよ」
「そうですか? 俺達は普通だと思いますけど」
「……もしかして、俺がこんななせいでミリオが周りになにか言われてるんじゃ」
「あーそれはないから安心するっス。仲良きことは美しきかなという言葉もあるんスからそんな風に思う事は無いっス。……君らぐらい仲が良くなってほしい生徒がいるくらいっスし」
「あ、それって一年の問題児の緑谷君と爆豪君のことです?」
ご飯を勢いよくかき込んでいた通形君がそう聞いてきた為、私は一つ首を縦に振ることで答える。
すると、通形君は「やっぱりね」といい二ッと笑みを浮かべた。
「あの二人の仲の悪さは校内でも一位二位を争うほどっスね。といっても爆豪君が一方的に嫌っている節が多いっス。自分も何度かあの二人の喧嘩を止めたっスけど、爆豪君に反撃されたこともあるっス」
「……確か、爆豪君の個性は"爆破"、でしたっけ? だ、大丈夫だったんですか?」
「そうっス。まぁ彼も威力は最小限に抑えてたみたいで怪我することはなかったっスよ。心配してくれてありがとう、天喰君」
私の怪我の心配をしてくれた天喰君に感謝を意を込め笑んで見せると、天喰君は口元に小さな笑みを浮かべた。
緊張しいの天喰君は一番の仲良しである通形君以外人前であまり笑わない為、今の彼の表情はとてもレアである。
「おーい通形に天喰ー! 次移動だぜーっ」
「おっそうだった! すみませんAさん、俺達はこれで。また一緒に食べましょうっ!」
「失礼、します」
「分かったッス。次の授業も頑張るっスよ」
盆をもって席を離れる二人の背を見送りながら、私は残り少ない料理を口に運ぶのだった。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
