１６無個性 ページ16
彼らの仲の良さに和んだ私は自然に口元が緩んでいく。
そんな私に机の上に顎をつけた上鳴君が口を開いた。
「それより秋嶋さん! モテるにはどうすればいいか教えてー」
「まだ言ってるんスね上鳴君。うーん、自分も良く分からないからハッキリとは言えないっスけど、そんなに焦らなくていいと思うっスよ」
「えー?」
私の言葉に不満そうな声と表情をする上鳴君に、私は笑みを浮かべながら言葉を吐き出す。
「上鳴君も切島君も瀬呂君も峰田君も頑張り屋で他人を思いやれるいい子だと自分は思ってるっスし、そんな君らを見初め愛してくれる女の子はきっといつか現れる筈っス。だからそんなに慌てる必要はないと思うっスよ」
そう本心を言葉にすると、目の前の四人はほんのり顔を赤くして私を見やる。
そして、それぞれ顔を覆った。
「ヤバイ、秋嶋さんに惚れそう」
「大袈裟っスね。自分は本当の事を言っただけっスよ」
「お、男らしいぜ。秋嶋さん」
「いや、切島。秋嶋さん女性だから」
「オイラが胸の小さい秋嶋さんの言葉に照れちまうなんて」
それぞれ違う反応をしながら、いまだに赤い顔を両手で覆っている。
峰田君の言った言葉は、あえて無視することにしよう。
私はそんな四人を前に、手を数回叩き口を開く。
「さぁ、皆そろそろ帰った方がいいっス。明日もはやいっスよね?」
「そういや明日の英語、瀬呂当たる日じゃね?」
「ヤバッ! 予習しとかねぇと」
赤い顔を元の色に戻しつつそう言い帰り支度をする彼らを見やりながら、私は口を開く。
「ここの鍵は自分が閉めるっスからそのまま帰ってくれて構わないっスよ」
「ありがとうございますっ!」
「秋嶋さん、さようならっ!」
「さようなら」
慌てた様子で教室を後にする生徒の背中を見守りながら、私は誰もいなくなった教室を後にしカチャリと鍵を閉めた。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
