１５無個性 ページ15
全ての授業が終わり放課後となった今、書類整理を終えた私は人気のない廊下を歩いている。
この後急ぎの仕事もないしちょっと休憩でもしようかと考えつつ廊下を進んでいると、私の耳に何やら会話のような声が入ってきた。
その声は近くの1-Aの教室から聞こえており、私はその教室の扉に手をかける。
扉を開くと、上鳴君や瀬呂君に切島君や峰田君が集まっていた。
「あ、秋嶋さん」
「君らまだ残ってたんスね。いくら寮になったからといって、あまり遅くならないようにするっスよ」
「はーい」
「なぁ秋嶋さん。俺達がモテるにはどうしたらいいと思う?」
「おい、さりげなく俺たちを巻き込むんじゃねぇよ」
どうやら彼らは男子高校生特有のそういう話をしていたらしく、上鳴君が私にそう聞いてきた。
上鳴君の言葉に瀬呂君がツッコむが、上鳴君は「いーじゃんいーじゃん」と笑みを浮かべる。
そんな彼らに笑みを返しつつ、私は言葉を紡ぎ出す。
「モテるには……ねぇ。正直君らは普通にカッコいいと思うっスけどね。まぁ、峰田君はそろそろ自重したほうが良いと思うっスけど」
「なんでオイラだけ!?」
「なんでって……他の女子生徒から言われてるっスよ。峰田の言動をどうにかしてほしいって。期末テスト前も男子更衣室の穴から女子更衣室を見ようとしたっスよね? あまり酷いとモテるモテない以前に人として嫌われるっスよ。あとあの穴は塞いだっスからね」
「嘘だろ!? オイラのオアシスが! オイラの桃源郷への入口がぁ!」
頭を抱え滝のように涙を流す峰田君に、私は呆れる事しか出来なかった。
このやる気をもっと別の方向に向ければいいのにと思うが、言っても無理だと察した私は何も言わない。
「……上鳴君に切島君に瀬呂君。峰田君が暴走したら止めてあげるっスよ」
「分かりましたー」
「うっす!」
「ま、これでも一応クラスメートですしね」
「オイ瀬呂! 一応って何だよ」
滝の涙を止めた峰田君が瀬呂君に食って掛かるが、とうの瀬呂君は「冗談」と言い笑う。
仲良きことは美しきかな、だな。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
