１４無個性 ページ14
そして、その表情のままマイク先輩が口を開く。
「まぁ言われてみれば確かに、眼鏡してた時に比べて印象がかわるな」
「そう言うもんなんスよ、人って生き物は。ま、そういうわけで心配には及びませんっスよ」
「……Aがそう言うならいいけどよ。何かあれば俺か消太に"ちゃんと"言えよ」
「そんな"ちゃんと"を強調しなくてもいいじゃないっスか」
「お前は前科があるからな。今度あんな真似しやがったらすまきにするだけじゃすまさねぇからな」
そう言ってニヤリと悪い笑みを見せる相澤先輩に、私は背筋に冷たい何かが伝うような気がした。
口元に笑みを浮かべてはいるものの、先輩の目は本気だ。
私は以前されたあの痛みを思い出し、身体を震わせながら口を開く。
「す、すまきは勘弁してほしいっス。先輩のアレめっちゃ痛かったんスから」
「なら今度はそうされないように、ちゃんと話せよ」
「そうだぜA! なんたって俺達は仲間なんだからな」
そう言い互いに私の頭をワシワシと撫でる二人の先輩の言葉に嬉しさを感じた私は、思わず笑みがこぼれる。
撫でることに満足したのか、先輩らは私の頭から手を離した。
若干の名残惜しさを感じつつ、私は撫でられたことで乱れた髪を整える。
「そういやAはここに何の用なんだ? 買い物か?」
「えぇそんなところっス。普段着ている作業着の汚れが目立ってきて、この際だから新しく買っちゃおうかと思ったんスよ」
「ならこのクールな俺がAに合う作業着を選んでやるぜ! なぁ消太っ!」
「そんなっ。お二人の貴重なプライベートを自分が邪魔するわけにはいかないっスよ」
マイク先輩の突然の言葉に、私は両手を胸の前で左右に振りそう言うが彼がその提案を引き下げる事はない。
「別に遠慮するこたぁないぜ?」
「遠慮っていうか……相澤先輩も同期の山田先輩と積もる話でもあるっスよね?」
「俺は別に構わん。それにこいつの馬鹿に高いテンションに付き合わされるのはごめんだ」
「そいつぁシヴィーぜ消太っ!」
「……秋嶋、時間は有限。決めるんならさっさと決めろ」
酷く面倒くさそうな目で私を睨む相澤先輩に、私は困り果てた末マイク先輩の誘いを受けることにした。
というか、イエスと答えないと解放してくれなさそうだった為の選択である。
こうして、私は相澤先輩とマイク先輩と一緒にショッピングをすることになった。
ついでにご飯も奢ってもらいいい休日を過ごせて、私は幸せを感じるのだった。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
