４５無個性 ページ45
咄嗟に放ったかっちゃんの言葉に、僕はすぐに彼の名前を叫んだ。
僕に名前を呼ばれたかっちゃんはいつものように睨むことも「クソデク」と罵声を浴びせる事もせず、ただただやってしまったと言いたげな表情をかすかににじませている。
「……なら、担任の先生呼んでくるっス」
いつもよりも冷たく感じるその声でそう言ったAさんはその場で体の向きを変え、その場を去っていった。
僕の傍を通り過ぎたAさんはどことなく泣きそうな表情を浮かべていたのは僕の見間違いじゃないだろう。
「爆豪、さっきのは言っちゃいけない言葉だぜ」
「……るせぇよ」
「全く、僕だってさっきの言葉がダメなことくらい理解できるのに君ときた…ふっ!!」
「あんたは少し黙ってな。もとはと言えば物間がふっかけた喧嘩が原因なんだから」
物間君の首筋に手刀を落とした拳藤さんは僕たちに「ごめんな」と頭を下げ、物間君を引きずりながら自分の教室へと帰っていった。
その後、やってきた相澤先生に事情を聞かれかっちゃんは口頭で注意を受け、後で必ず謝るようにきつく言われた。
相澤先生のお叱りを大人しく聞き入れているのを見る限り、さすがのかっちゃんも悪いと思っているのだろう。
それから僕たちはそれぞれ帰宅したから、この日にかっちゃんがAさんに謝れたのかどうかは分からない。
しかし、それが分かるのはそう時間はかからなかった。
放課後の喧嘩から数日。
過酷なヒーロー基礎学の授業も終え、寮に戻った僕らはそれぞれ自由に時間を過ごしていた。
しかしそんな平穏な時間は、上鳴君の声で壊された。
「皆、聞いてくれっ! Aさんがまた用務員をやめるってよ!」
彼のこの言葉に、談話スペースでリラックスしていた僕らの間に緊張が走る。
こんな緊張感に包まれたのはAさんの義妹さんの事件時以来だ。
チラリと視界に入るかっちゃんは大きく目を見開いてる。
そんなかっちゃんを見て、僕はまだ彼がAさんに謝っていない事を悟った。
「それ本当かよ?」
「本当だって! さっき用事があって職員室に行ったら、中から先生方とAさんの話す声が聞こえてきたんだ。ミッドナイト先生は"寂しくなるわね"とか言ってたし、それに俺直接Aさんに聞いたんだよ!」
「それで、お前はなんて言ってAさんはなんて返したんだよ」
上鳴君の傍にいた瀬呂君がそう聞くと、上鳴君はポツリポツリと言葉を落としだす。
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長月シキカ(プロフ) - メホニアンさん» コメントありがとうございます！マイク先生も相澤先生もかっこいいですよね^ ^ 更新頑張りますのでよろしくお願い致します！閲覧感謝です^ ^ (2017年11月28日 13時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
メホニアン(プロフ) - トマトを食べた後のマイク先生に、キュンとしました。優しい相沢先生に惚れました。更新頑張ってください！！ (2017年11月28日 13時) (レス) id: dbe6c4db20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年11月4日 23時
