５９話 期限間近 ページ9
「ねぇ乱太郎君。射杜山の様子について何か知らないかな? 例えば……たまに何もない所に話しかけたりとか」
「え? えーと……あ、そういえば! あの人いつも変な人形を持っているんです」
「変な人形……そういえば、さっき見た時にもそんなの持ってたっけ」
「実は私、天女様があの人形に話しかけているの見たことがあるんです」
乱太郎君の意見に、私は一つの可能性を見出した。
多分、その人形が射杜山に憑いている悪魔だろう。
「ありがとう乱太郎君。君のその言葉で何とかなりそうだよ」
「ほ、本当ですか!?」
「勿論。だけど、射杜山をどうにかするには君の力も必要なんだ。力を貸してくれる?」
私はそう聞くと、乱太郎君はしばらく迷ったあとコクリと力強く頷いてくれた。
射杜山を地獄に戻すには、この世界の主人公である彼の拒絶の言葉が必要なんだ。
本当、閻魔様からのお守りを渡しておいてよかった。
「そうだ、乱太郎君。射杜山がこの忍術学園に落ちてきて何日たってる?」
「えっと、今日で六日たってると思います」
「六日!?」
それじゃあと一日しかないじゃん。
今日中にこの異変をどうにかしないと、この世界は崩壊してしまう。
「あと一日か……やれそうかい?」
「……やれそうじゃなくて、やるんですよ。組頭どうかご協力をお願いします」
「当たり前だよ。私だってまだﾀﾋにたくないからね」
「よし! じゃあ早速行動に移そう。乱太郎君は私か組頭から離れないようにね。あと渡したお守りは絶対に離さない事、いいね」
「わ、分かりました!」
乱太郎君は懐に入れてあるのだろう、自分の胸元を押さえながら頷く。
「それで、どうするのか考えてるのかい?」
「んー、射杜山と接触しても大人しく人形を渡すとは思えないですし、後ろから襲っても周りにいる忍たまに逆襲されてしまうかも……」
「……射杜山を先に殺すのは?」
「それはどうでしょう。もし射杜山が先にﾀﾋんでもまだ奴に取り憑いた悪魔が残ってますから、どうなることやら……」
「だったらいっそ、真正面から行くのも手だと思うよ。今回は時間もないし、さっさとケリをつけるのも悪くないんじゃない?」
組頭の作戦に私もそれしかないと賛同する。
これでやることが決まった。
「じゃあまずは射杜山を探そう」
「はい!」
「そうだね」
医務室の中でそう意気込みし私達は部屋を後にした。
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長月シキカ(プロフ) - riemoa0323さん» コメントありがとうございます! こちらこそ多数の作品がある中当作品を閲覧くださり感謝申し上げます!! riemoa0323様のお言葉本当に嬉しいです＾＾最後まで閲覧感謝です♪ (11月14日 22時) (
レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
riemoa0323(プロフ) - コメント失礼致します、とっっっても面白かったです！このような作品はあまり見かけないので出会えたことにとても感謝しています、素敵な作品をありがとうございました！ (11月14日 0時) (レス) @page22 id: a94f27965a (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - 夕さん» コメントありがとうございます! 主人公と組頭が再会するエンドにするか別エンドにするか最後まで迷っていていたので、夕様のお言葉大変嬉しく思います＾＾最後まで閲覧感謝です♪ (10月10日 14時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
夕 - とても面白かったです！最後に組頭と夢主が再会できた時はとても嬉しかったです！ (10月10日 0時) (レス) @page22 id: 50676421a4 (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます! 確かにこのようなタイプの話はここではあまり見ないですよね...。最初この話が思い浮かんだときは他人に受けるものか心配でしたが小桜様のお言葉に安心しました^^ こちらこそ最後まで閲覧感謝です♪ (2022年9月28日 21時) (レス) id: 594c035cea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年8月1日 0時
