７話 退治方法 ページ7
「元より魂だけの存在、肉体の命を奪ったとて魂は悪魔に掠め取られるだけだ……」
「ではどうやって?」
「奴を世界からはじき出す為には、その世界の中心人物――つまり主人公格の者から拒絶させる事だ」
「主人公からの……拒絶?」
閻魔様の言葉をオウム返しする私を咎めることなく、閻魔様は「そうだ」と一言だけ返した。
そして、その言葉の続きを口にする。
「しかし、今回は悪魔が絡んでいる。一筋縄ではいかぬであろう。現に奴が渡航しているあの世界は既に崩壊の危機に瀕している。しかし、対策がないわけではない」
「対策……ですか?」
「そうだ。以前にも似たようなことがあってな、今後こういった事があった時のために地獄ではある物を開発していたのだ……それが、これだ」
そう言って懐から一つのお守りと一つの鏡を取り出し、傍にいた鬼を介して私の手の中に収められた。
お守りは現世の神社とかに売っている極々普通のお守りで、鏡は綺麗な装飾が施されてはいるが極々普通の鏡だ。
「その守りは、手にした者を守護し悪しき力から身を守るものだ。これをあの世界の主人公に渡せば、悪魔の力から身を守ることが出来るだろう」
「なるほど」
「そして、その鏡はただの鏡だ」
「なるほど……って普通の鏡渡してどうすんの!?」
納得しかけた私は、思わず閻魔様に吠え付いてしまった。
しかし、すぐに自分の失態に気が付いた私はすぐに深く頭を下げ「申し訳ございません」と謝罪の言葉をのべる。
閻魔様はそんな私を咎めることなく、「まぁよい」と話を続けた。
「確かにその鏡はただの鏡だ」
「で、ただの鏡をどうやって……」
「永き研究の末、我々は悪魔の弱点を割り出すことに成功した。その悪魔の弱点とは……"聖なる光"」
「せ、"聖なる光"」
そのネーミングに中二病を患っていた私の古傷がズクリと痛んだ気がした。
そんな私に気付かず、閻魔様は話を続ける。
「あまたにある世界には必ず太陽がある。その太陽は太陽神である天照大御神様が治めていらっしゃるのだ」
「……という事は、太陽神である天照大御神様が治めていらっしゃる太陽の光をこの鏡で反射させ、反射された光は悪魔の弱点である"聖なる光"となり、悪魔を焼き尽くすって事ですか?」
「なかなか理解が速くて助かる……しかし、困ったことに奴が使役している悪魔があの世界で何に変化しているのかが分からん」
閻魔様はふぅと深く息を吐き、再び口を開いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
長月シキカ(プロフ) - 桜餅の塩漬け葉っぱさん» コメントありがとうございます！主人公や閻魔様のキャラどうするか結構迷ったので笑っていただけて本当に嬉しいです^ ^ 閲覧感謝です！ (2018年2月7日 22時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅の塩漬け葉っぱ(プロフ) - とっても面白いです。閻魔様と主人公のキャラが……www (2018年2月7日 22時) (レス) id: a55b533e90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年7月21日 0時
