５妖怪 彼らの正体３ ページ5
「俺は自在に飛翔し神通力を使う事が出来る。そして伊作は」
「僕は薬づくりに特化しているんだ。僕の作る薬はすっごく良く効くんだ」
留三郎さんは黒く大きな翼を、伊作さんはふわふわな尻尾を揺らしながらそう言う。
そう言えば、葛の葉っていう妖怪は確か女性で描かれることが多いが、男の葛の葉もいるんだな。
だいぶこの空間にも慣れたのか、私は少しばかり余裕を持つことが出来た。
だからだろうか、私は次の展開で再び驚くことになるのだ。
「じゃあ先輩たちの次は俺たちですね! 俺からいくけど、俺は尾浜勘右衛門。人を化かす化け狸だよ。んで横から久々知兵助、不破雷蔵、鉢屋三郎、竹谷八左ヱ門だよ」
勘右衛門と名乗った彼が次々と名前をあげていくと、名前を言われた男の人たちが次々に頭をペコッと下げていく。
そして、彼らの正体まで勘右衛門さんが話し始めたのを皆で止め、兵助さんから話し始めた。
「俺は影法師。世界中に出来る影の中を移動できるんだ。次は雷蔵だね」
「うん、えっと……僕は雷獣っていう妖怪だよ。雷を操れるんだ、あ、あと僕がくしゃみをすると日本のどこかで雷が落ちるんだ。じゃあ次は三郎かな?」
「あ、私は後でいいから八左ヱ門、お前いっていいよ」
「マジで!? んじゃあ遠慮なく……俺は鵺だ。人間じゃ出せないような声を出して人を狂わせることが出来るのと、後は怪力だな。鋼鉄くらいなら片手で簡単に壊せるぜ、勿論普段そんな力は出さねぇけどな」
人懐っこい笑みを浮かべながら末恐ろしい事を言う八左ヱ門さんが、「じゃあグループ最後は三郎な」といい隣にいた雷蔵さんと同じ顔をした三郎と呼ばれた男の人がニヤリとした笑みを浮かべ、自分の顔を上から片手でゆっくりと撫でながら言葉を紡ぐ三郎さん。
「私は……妖怪のっぺらぼうだっ!!」
するりと顔を撫で手を顔から離すと、彼の顔はまるで消しゴムで消したみたいに、目鼻口が綺麗に消えていたのだ。
私は油断してしまい、そのまま声も出せず正座を崩し少しだけ後ずさる。
あまりにも私が驚いたせいで、彼らは心配したのかぞろぞろと私の方に近寄る。
ただし、雷蔵さんだけは三郎さんの胸ぐらを掴み笑顔で彼に語り掛けていた。
「なにAを怖がらしてるの? バカなの?」
「ち、ちょっとした冗談」
「それよりAに言う事あるでしょ?」
「す、すまなかったっ!」
私はここでぐずったら三郎さんの身が危ないと予感し、コクコクと頷いた。
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長月シキカ(プロフ) - 戦国娘さん» コメントありがとうございます！戦国娘様のお言葉大変嬉しく思います！これから本編の更新も進めていけるよう精進致します^ ^ 本当にありがとうございました！ (2017年1月17日 21時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 本編を読んで過去編を読み始めたのですがとても面白かったです(^^)本編の更新も心待ちしていますので頑張って下さい！ (2017年1月17日 21時) (レス) id: 55fa96ba6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月11日 20時
