４妖怪 彼らの正体２ ページ4
小平太と名乗ったその人は私の頭に大きな手を乗せワシワシと勢いよく撫でてきた。
普通に撫でるのなら別に気にしないのだが、いかんせん力が強すぎてグワングワンと首がもげるのではないかと思うくらい頭を揺すられたため、私は徐々に気持ち悪くなってくる。
もう少しで吐きそうってところで男の手が止まり、フラフラする視界で見ると小平太さんの手を両頬に傷のある男の人が止めたのだ。
その男の人に私は文次郎さんと同じように少々怖い印象を受ける。
「小平太……お前の力はAには強すぎる」
「そうなのか? 長次」
「そうだ。次からAに触れるときは……お前が思う最低限の力で触れるんだ。出ないとAは傷ついてしまう」
「そうなのか!? わ、私はAを傷つけてしまったのか?」
そう言う小平太さんは、まるで捨てられた子犬のような目で私を見る。
そんな目で見られた私は、どうすることも出来ず結局小さな声で大丈夫と言うしか出来なかったが、小平太さんはその答えに満足したらしくパァと顔を明るくさせた。
「良かったっ! 今度から私はもっと優しく触るからな! じゃあ次は長次だなッ!!」
「……その前に自分がなんの妖怪なのかを説明するのを、忘れている」
もそもそと小さな声でそう言う彼に、小平太さんは悪びれる様子もなくあっけらかんに「忘れてたっ!」と言い、言葉を続けた。
「私は
さらりと恐ろしい事をのたまった彼に、他の人たちの「当たり前だぁッ!!」という怒号が響く。
そんな怒号をものともせず、豪快に笑う小平太さんを押しやり先ほど長次と呼ばれた男の人が私の前に膝をついた。
「小平太が、すまなかった……私は中在家長次。木霊という妖怪だ」
「木霊……山とかで大声を出すと声が返ってくるというあの?」
「そうだ。正しくは古い樹木に宿る精霊で、植物を操れる。他にもいろいろあるが割愛しよう」
小さい声だが聞こえないほどではない声でそう言い、私の頭をポンポンっと数回軽く撫で私の前から立ち上がった。
次に声をあげたのは一番初めに兄発言をしたあの男の人だった。
心なしか、わくわくした表情を浮かべている。
「ようやく俺たちの番だなっ! 俺は食満留三郎で烏天狗だ」
「で、僕は善法寺伊作。葛の葉っていう妖怪なんだ」
そう言い笑みを見せる二人の言葉を反芻しながら二人を見る。
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長月シキカ(プロフ) - 戦国娘さん» コメントありがとうございます！戦国娘様のお言葉大変嬉しく思います！これから本編の更新も進めていけるよう精進致します^ ^ 本当にありがとうございました！ (2017年1月17日 21時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 本編を読んで過去編を読み始めたのですがとても面白かったです(^^)本編の更新も心待ちしていますので頑張って下さい！ (2017年1月17日 21時) (レス) id: 55fa96ba6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月11日 20時
