１３妖怪 早く見つけねば ページ13
「(そうか、白いダリアは"感謝"クチナシは"私は幸せです"の花言葉が……Aは自分の思いを花に込めたのか)」
長次は頬をぬらす涙を拭い立ち上がる。
その際目の端にキラリと光る物が見え、確認するとその光る物の正体は自分達の妖力を込めた"魔除けのブレスレット"だった。
おそらく、激情したAが投げ捨てたのだろう。
長次の持ったそのブレスレットを見た三郎が長次に向かって声を張り上げた。
「先輩! そのブレスレットがここにあるってことは今Aは……!!」
「! 雷蔵、今の時刻は」
「ち、丁度……"逢魔が時"です!!」
"逢魔が時"……普通の人間ならただの夕方なのだが、妖怪である自分たちやﾀﾋ霊を見ることが出来かつ怨霊に取り憑かれやすいAにとっては厄介な時間の事。
この"魔除けのブレスレット"は取り憑かれやすいAに怨霊や悪霊が取り憑かないよう守るためにAにあげたのだが、それをしていないAは極めて危険なのだ。
「伊作、仙蔵……お前たちはこのカードを読んでこの場を片付けておけ。雷蔵、三郎」
「はいっ!」
「私は家にいる八左ヱ門たちに知らせてすぐにAの捜索に向かわせます」
「頼む、行くぞ雷蔵」
そう小さく言うと、雷蔵は短くいらえ長次は家を飛び出した。
Aが飛び出した時、凄く小さな音だったが鼻をすする音がAからしていた為おそらく今も彼女は泣いているのだろう。
頼む、今だけは泣き止んでくれ。
それ以上負の感情で自分を包まないでくれ。
でないと……Aは、お前は……
"彼方の世界"に連れて行かれてしまう……!!
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
長月シキカ(プロフ) - 戦国娘さん» コメントありがとうございます！戦国娘様のお言葉大変嬉しく思います！これから本編の更新も進めていけるよう精進致します^ ^ 本当にありがとうございました！ (2017年1月17日 21時) (
レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 本編を読んで過去編を読み始めたのですがとても面白かったです(^^)本編の更新も心待ちしていますので頑張って下さい！ (2017年1月17日 21時) (レス) id: 55fa96ba6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：長月シキカ | 作成日時：2017年1月11日 20時
