優先順位は下の下の下で【及川徹】

思えば ページ29

そういえば、いつからだったか





黒田と過ごす時間が減ったのは



黒田との行為回数の方が増えていったのは










いつだったろうか











黒田が最後にちゃんと笑ったのを見たのは










「…………黒田…？」










いつからだったろう









他の女と一緒にいる時間の方が増えたのは











前の席にいつもはあるはずの艶のある長い髪


今は空っぽだ








その日、黒田は学校に来なかった





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特に変哲もなく1日は淡々と過ぎ、今は部活


終了時に溝口コーチから呼び止められたのが唯一いつもと違うとこ。








「わるいな。これ、だくろ……あー黒田の。

今日ペン忘れてってたんだよ。

お前確か同じクラスだろ？

明日でいいから渡しといてくんないか？」










一見、普通の忘れ物届けに聞こえる












が、






「黒田……って、今日休みじゃなかったですか？」






ペン忘れたって今日の話？




溝口コーチが差し出すペンと黒田の後ろ姿が交互に頭によぎる







「ん？朝いたよ。俺の手伝いさせたんだから」



首を傾げながら話す溝口コーチに嘘は見られなかった



「早退………ですか？」

「あいつがぁ？だくろに限ってそれはねぇわ。あんな優等生だぞ？」






サボりな訳もないわ。と軽く笑いながらペンを渡された








手元には黒田が気に入っていた


白色の花が一輪繊細に描かれたボールペンだけが残った





「……………」







どこかひっかかった









けど、きっとそれをなかったことにしたのが良くなかった









___________

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ガタッ…！！


『……………カヒュッ……ふー…ふー………ゲホッ…"！』





_________助けて

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