優先順位は下の下の下で【及川徹】

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『え


「え？」




多分今、狐につままれたような顔をしている

それは彼も同様、自分を鏡で見たような気持ちだ









国見、英








ただ自分の名を名乗っただけでえ、と言われる始末。


もしそれが自分の立場だったら私もこんな顔するだろう。










私はひとつ、呼吸をつき


ひとつ、間を空けて口を開いた




『国見………英…ですか』


「え、うん。」






一応確認だが、私の知ってる国見は


私に身の危機を味あわせたあの(・・)国見




いや、もしかして違うかもしれないしね


同じ国見なだけ。





あっほら。国見"ちゃん"だし。女の子かも


『えっと、部活は』






バレー部って言ったら確定国見だ「バレー部」








あ、フラグ回収。お疲れ様です




『そう、ですか』




たどたどしい。且つそっけない返事をした









『………………』









さっきからやたら私の瞳を捉える、その真っ直ぐな眼球が怖くて目を背けた

だがそれでも痛い視線は私に注ぎ込まれる







「………………及川徹」








『…！』






思わず頭を上げたのが失態だった。

今の私の顔は酷いだろう。それもとんでもなく






「………が、主将のチームなんだけど、なんかあった？」







こいつは、私が何か徹と関係性があることを悟っている




まんまと騙された私も馬鹿だ。


『…………いえ、なにも』







とっさに嘘をつくのは人間の性だ。しょうがない








「へぇ……随分嘘が下手なんだね。黒田Aセンパイ？…」

『ぇっ』








センパイ＝彼____国見は後輩？


あれ、それより私、国見に名前教えたっけ






『あの、私のこと…ご存知で』


「存じてるも何も、」






·








·










·













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.








___________及川さんの彼女でしょ？









私のことを嘲笑うかのような、

全て見透かすように目を少し細めながらその視線を向け、






「ははっ」








って












笑った。

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