楽曲29 ページ32
夜。
ベースのチューニングを済ませたらアンプに繋いだ。
そして、ヘッドホンもアンプに繋ぐ。
これなら、音は多少は出てしまうが、殆どの音はヘッドホンから流れる。
練習用のワンピと、ワンピより少し丈が短いワンピースにもなる羽織？に袖を通したら髪はツインテに結い上げる。
片方だけヘッドホンをずらして着けツインテでズレないようにした。
今使ってるミュージックプレイヤーは最新のだからケータイからデモの最新曲と練習用の曲もデータをコピーした。
ミュージックプレイヤーから適当に練習用のプレイリストを選び、まずはノアチルの曲を弾きながら歌う…
何曲か弾き終わって、次は年代別の色んな曲を弾く。
少し時間を見て休みを取る。
休みを取ったら私は最新曲の楽譜を一気に暗記する為、ある単語帳のような物を取り出す。
青、赤、白(？)、黄色、緑、
五色のカラーフィルムのようなモノだけど、其々濃度が微妙に違うが一応カラーフィルムを通して物体を見る事も出来る程度の濃度だ。
私は目を閉じ、深く深呼吸をしつつ集中力を高める。
事前に新曲のタブ譜と楽譜はプリントアウトして、目の前に広げて置いてある。
一度、目を開け楽譜と単語帳はチェックした。
大丈夫。
もう一度、目を閉じ、浅く呼吸をして私はカラーフィルムを目の前に扇子状に広げ一気に目を見開いた。
楽曲に書かれた音や曲調、ベースのタブ譜を全て目に焼き付ける様にイメージするとどんどん焼き付いていく…。
今までに無いぐらいの容量の大きい曲。
でも全てを記録し、その記録を脳内に焼き付けるのにそう時間はかからなかった。
『ふぅ』っと一息つくと私の目の瞳孔の伸縮は収まった。
ニヤリと口元が笑う。
『記憶、完了…。後は、何処まで着いていけるか、か。上等よ。』
私は立ち上がって、最新曲の楽曲を流した。
ベースを持つ手に少し力が入るけど、この音を曲をみんなで奏でたいと強く願い私は音を奏でる！
……
何度も練習して、何度か休憩しても足りない。
(私の力が足りない！音が上手く出ない…。でもこの曲をノアチルのみんなで兄妹で奏でて私はその音の中心で歌いたいの！)
そう思った時には言葉が口から溢れ出てた…
そして何度も躓いた所もクリアした。
(やった！出来た…！このまま、この波に私は乗って、乗り続ける…！)
そう思った瞬間、私は最新曲の練習をずっと続けていた。
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