【大丈夫】8 ページ25
これでいいんだ。
好きの気持ちは、ずっと心の片隅に置いておけばいい。
愛とか恋とか、時々スケートのテーマとして出てくるけど、それはただのきっかけで。
いつだってはっきりとした物語を表現したい自分だから、個人的な想いを重ねて滑るなんて事は今後しない、絶対。
「ふふふ。」
みやが携帯を見てにやけてる。
それが嬉しくもあり微笑ましくもあり…。
そうやって、俺も今のこの時間を思い出の写真の中にしまっておこう。
そして来年、絶対に会おうね。
それまでお互い、置かれた場所で頑張ろうね。
道は違えど、目指す先は同じだから。
最後が涙でなくてよかった。
好きな人を泣かせてしまわなくてよかった。
俺は“大丈夫”、と自分に言い聞かせながら、シートにゆっくりと背をつけた。
■みやサイド
自分の人生において、強烈なインパクトを残したファンタジーオンアイスから１ヶ月がたとうとしていたある日、事務所で打ち合わせをしていた俺は、マネージャーさんとテレビに釘付けだった。
「羽生結弦がプロに転向かー。みや何か聞いてた？」
「んーん…。」
好奇な声に生返事で返す。
羽生結弦が決意表明をする。前日のお知らせから、夕方のニュースはそのことで持ちきりだった。
ゆづくん、ついに発表したんだ…。
もちろん先に知ってたことは言わないし、今後言うつもりもない。
昨日眠れないってメッセージが来てから、何か自分に出来ることはないかと夜通しキャスを配信したけど、気分転換になってくれたかな…。
ま、聞いてくれていたとは限らないけど。
「でも、これから何するんだろうな。」
「そりゃアイスショーじゃない？」
「スケートだけじゃなくて、何でも出来そうだよな、彼。」
「ゆづくん最強だもん。」
こうやって普通に話してても褒め言葉しか出てこない。
それほどまでに、一度本人に会ったら誰でも虜になってしまうのだ。
「でも、よくここまで仲良くなってくれたよ。これでみやの行く末も安泰だ。次のツアーは羽生ファンにたくさん来て欲しいな。」
「うん。そのつもりでセトリ考える。」
今リアルな話はあんまりしたくないのだけど、場所が場所だけに、今後について考えてしまうのは仕方がないこと。
それにミュージシャンとして新規のファンを獲得することは死活問題だ。
古参ファンももちろん大事だけど、それだけじゃ生きていけない厳しい世界…。はい俺向いてなーい。
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鹿(プロフ) - らっきさん» 読める心境になってよかったです！気持ちには応えられないけど好きでいていいんだって、羽生さんに言って欲しかったんです。お話の中だけでなくお互いの立場上、様々な困難があるでしょうし。夢もあるし。さてツアー！たまアリに行けますように！！ありがとう！ (9月11日 23時) (
レス) id: 4f12fa325f (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 完結おめでとうございます！やっと読める心境になり、読みに参りました。やはり切ない結末で、でも未来が見える終わりでしたね(*^^*)二人ともお互いが別の形で支えになっていくんだなーと思いました。新しいツアー、チケ取りもまた頑張りましょう。お疲れ様でした！ (9月11日 22時) (レス) @page28 id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» でも書くのをやめると結構暇ですね。最近は宮川界隈でオタクしてますが(*^^*)みやのライブで癒されてます。いつかお会いすることがあったら、ご挨拶させてくださいね！ (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートのシーン。夢小説には必要ないのかもしれないど、こだわりたかった。スケートで何かを伝えたり、心を重ねてみたりするのが好きなので。 (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートとは、ファンとは、プライベートとは…。想像ですけど、こうであったらいいなと思いながら書きました。普通の生活が難しい人なので、実際お相手の方はなかなか大変だろうなと、ちょっと同情したりして(笑)友達以上恋人未満、くらいがちょうどいい気もします^^ (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2023年8月8日 23時
