輝く水平線5

【心の温度】1　☆ ページ5

☆主人公サイド

次の日。なんとか昨日のフリーの結果をＳＮＳで探しだした私は、画面を見つめ、少しがっかりしながら自室のベッドに寝転がる。

「真奈美さん、総合２位だったんだ…。」

逆転優勝叶わず…か。
結局優勝はショートで１位だった子のようだけど、東日本大会へは出場できるようで、今から１１月が待ち遠しい。

「でも昨日は散々だったよぉ〜…。」

枕に突っ伏し、バタ足のように足を動かす。
お土産は空港でいっぱい買ったものの、たった一ヶ所の誤植のために東北からとんぼ返りだもん。
意外を以外って書くのはよくある間違いなだけに、自分の注意力散漫さを呪いたい。

しかも試合後に羽生さんとゆっくり過ごしたかったら今日もお休みにしていたのに、それも無駄になってしまった。

「羽生さん…会いたかったなぁ。」

自然と脳裏に浮かぶのは、あの屈託のない笑顔。
なぜ私は今こうして暇をもて余しているのか…。

アスカの話もしたかったのに。
ファンブックもかなり読み進んでいるだろうし、新シリーズの情報だって続々と解禁されてたんだよ？
マニア同士として、あーだこーだって喋りたいじゃない！

夜のお食事も楽しみにしていたんだから。
どこかお店を予約してくれたりしてたのかな？そうだったら尚の事申し訳ないなー。

「…ちょっと電話しちゃおうかな。」

頭だけを起こし、握りしめたままの携帯を見つめる。
あまりに羽生さんのことばかり考えすぎて、ガス抜きしないと頭が変になりそうだ。

でもまだ午前中だし、起きてないかな。
試合が終わった次の日だから疲れて寝てるかも…。

「悩む…。そうだ！メッセージを送って既読がつくか確認しよっと。」

私ったら頭いい！
これならさほど失礼にあたらないわ。しばらく待って反応がなかったら諦めればいいんだし。

「そうしよう。」

よいしょ、と上半身だけを起こし、うつ伏せのまま携帯を操作してアプリを起ち上げる。
もちろん羽生さんの名前は一番上にあるから、探す手間もない。

「えっと、昨日はお疲れさまでした、と。」

声に出しながら入力したら、なんとなく恥ずかしくなった。






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