【好き嫌い】8 ☆ ページ21
☆主人公サイド
羽生さんがお漬け物を食べてくれた…。
苦手を克服する場面を目の前で見ることができた。それだけで、今日は来た甲斐があったというものだ。
よかった…これでもう彼と会うことはないだろうけど、晴れ晴れした気持ちで帰れそうだ。
「もうお腹いっぱい…。」
食事を終え、羽生さんがうなだれるように箸を置く。
完食することで、食べることに少しでも幸せを感じて欲しいけど…。
「まだメロンが残ってますよ。」
残念ながらデザートが手付かずだ。いくら世界王者とはいえ、作り手への配慮は心がけて欲しい。
そんな中、上目遣いに私を見てひとこと。
「Aさんて大食いなんですか？」
「えっ！」
「僕は少食なりにけっこう頑張ったけど…。食べるの早いし、ひょっとして足りないんじゃないです？」
「そ、そんなことないですよ！」
まずい、食い意地が張ってると思われたかしら！
確かにいつもならこのあとミニカツ丼を食べるけど、そんなことが知れたらお嫁に行けないわ！
「怪しい。てかトマトは？いつ食べるんです？」
そして反撃するかのように私のお皿をガン見してくる。
「今日は用意されてないので…。」
そうよ、これは不可抗力よ。
無いものは無いんだから仕方ないじゃない。
「そう言ってこのまま一生食べない気でしょ。」
「帰ったら食べます。それでいいですよね。」
「だめ。」
「へ？」
「僕の目の前で食べなきゃフェアじゃない。」
張りのある口調でたたみかけてきて、少し怯む。
「そんなこと…」
ないです。と言おうとしたけど、考えてみればそうかも。
でも、今からおかみさんにトマトを用意してもらうわけにもいかないし、やっぱりこれは現実的に不可能じゃないかな？
口許に手をあててあれこれ考えていたら、不意に羽生さんが自分のメロンのお皿を手に取り、持ち上げた。
「とはいえ、お店で買って食べろって言うほど鬼じゃないので。あ、このメロンは差し上げます。」
残すの悪いので。と私の方へ置く。
「ではどうすれば…？」
メロンと羽生さんへ交互に視線を向け首をかしげると、真顔の絶対王者が続けた言葉に、私は唖然とする。
「後日、もう一度だけ食事の機会を設けましょう。」
「えっ！」
もう一度食事を…？さっき義理のお見合いだから最初で最後、みたいなことを言ってたのに…。
もう私の視界にメロンはない。笑顔の欠片もない羽生さんがいるだけだ。
それでも、恥ずかしげもなく羽生さんを凝視してしまう。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 私のイメージは、結婚あまりうまくいかないような気が…。家族にはわがままっぽいから、きっと奥さんにも…＾＾；ファン第一に考えそう(笑)引退してもスケート中心で家庭をかえりみなさそう(笑) (2021年3月1日 15時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ゆづが幸せなら私も嬉しいです。愛妻家でいてほしい！レディーファーストでいて、決断力がある頼りになる夫、というイメージです。 (2021年2月24日 21時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» なんか、さくっと終わらせるつもりが、長くなりそうな予感＾＾；10までには終わりたいけど…。寝不足に気を付けつつがんばります！ (2021年2月24日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 美緒さん» ありがとうございます＾＾主人公に振り回されてくっつきそうな予感。まだ定まってません(笑)勝手なアンケートでは、国民の9割以上が彼の結婚を祝福できると答えたそう！羽生さん、安心して結婚していいんだよ！＾＾ (2021年2月24日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - フィギュアスケートのアニメに夢中なお嬢様をスケートでスパルタ指導してみる？頭打ったらまずいか。どうやってくっつくのかなぁ？ (2021年2月21日 21時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2021年2月10日 16時
