【歩み】1 ★ ページ37
★結弦サイド
怒涛の双子育児も、気付けば5ヶ月目に突入し、翔と翼はお座りが出きるようになった。
「ねぇねぇ、この写真どう?可愛いでしょ。」
Aは最近、携帯で二人の写真を撮るのに夢中で、かわいい服を着せては自宅で撮影会を楽しんでいる。
今日もリビングのラグマットに二人を並ばせ、自らもうつ伏せになりながらベストショットを狙っているのだ。
「可愛い可愛い。でも俺やっと顔が見分けられるようになったかも。」
二卵性双生児なので同じ顔ではないのだが、生まれてすぐはさすがに見分けがつきにくい。
同じ服を着せないように工夫したりしていたけど、お風呂上がりは取り違えそうになるので、けっこうやばかった。
「そうだね。翔くんはおでこがちょっと丸いよね。」
「俺に似てな。」
「こうやってオールバックにしたら…あら不思議!結弦くんみたい。」
ちびゆづ〜と言いながらまた写メる。
Aの携帯には一体何枚画像が入っているのだろうか。
たまには印刷しなきゃな、と思いつつ自分も床に座り、近くにいた翔を膝に抱っこすると、かなり重たくなっていて成長の速さを実感する。
この調子じゃ、あっという間に大きくなりそうだ。
「ねぇA。この子たち、将来何してると思う?」
そしてふと、自分を通して見た場合の二人が、今後どんな人生を送るのか考える。
羽生結弦の子供として、この避けて通れない道をどう決断するのだろう。
「そりゃスケートするに決まってるじゃない。」
「二人とも?」
「うん。」
Aは楽天的にとらえているようだけど、同じ年で同じ性別の子供なら、出る試合もほとんど同じになることに気付いてないようだ。
「だったらライバルになるけどいいの?絶対どっちかが負けるんだよ?」
一位と二位ならまだましだ。
万が一、一位と予選落ちとかになってみろ。優勝したのに喜んじゃだめみたいな空気になる。
「…そっか。」
「俺は兄弟で違う道に進んで欲しい。」
「どうして?」
「その方が助け合えるよ。視野が2倍になるから。」
好きな事はひとつにしぼらなくていい。
でも、本気で目指すと決めたなら、他は捨てなきゃならない。
でも双子だから、それぞれが別の道を極めそれを伝えあえば、他の子よりも経験値が増えるかもしれない。
124人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - みなみさん» ありがとうございました。妖怪なんて知識ないので、ネットに頼りっぱなしで…。地震のとき、真っ先に羽生さんを心配してしまいますね。どうか無事で! (2021年2月14日 20時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ついに完結ですね。面白かったですよ。妖怪が絡むお話なんてなかなかないと思いますし。 大きめの地震がありました。うちもけっこう揺れましたけど、仙台はもっと強い揺れだったようで、羽生くんが心配。とにかく、みんなが無事でありますように。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 〜空〜さん» 完結がモットー(*^^*)みなさんに楽しんでもらえたかなー。自分でも作品を読み返すのですが、最初は書きやすいのですが、だんだんネタが尽きてくるパターンが多いです(笑)くっつくまでが楽しいんですよねー。また読みに来てくださいね! (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - キャラメル味さん» 最後結構ばたばたと終わらせてしまいましたが楽しんでもらえてよかったです(*^^*)やっぱり羽生さんには女の子だよなーと、妄想してしまいました。兄をサポートするしっかり者の弟。というイメージですかね。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» ご愛読ありがとうございました(*^^*)今回双子にしたのですが、成長するとどっちがしゃべってるのか分からなくなりそうで難しいかも。結局新しいお話を書いてしまい、またしんどくて楽しい生活が始まってしまった…。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2020年12月16日 18時