【歩み】2 ★ ページ38
「双子独特のテレパシー的な？」
「いろんなものを目で見て、感じて。二人で共有してくれればいいな。」
まだ小さくて何にもわからないだろうけど、色んな事をたくさん経験させてやりたいと思う。
「私実家が神社だから、あんまり他の世界って知らないんだよね。二人には私みたいに狭い世界で生きて欲しくはないかな。」
「俺も。スケートだけやり過ぎた。ま、思い通りにはなんないのが人生だけどね。」
「結弦くんはそこそこ思い通りじゃないの？」
「そんなことない。半分もないよ。ここだけの話し、俺はアーティストとか歌手になりたかった。」
「うそー！」
「歌うの好きだし聴くのも好きだし。人前に出るのも気持ちいいから好きだったし。」
コンサートとか行ったことないけど、お客さんと一体になれる感覚とか、すっごく気持ちいいんだろうなと、時々妄想してたくらいだ。
「わぁ、意外なカミングアウトだね。」
「成功したかどうかは別だけどね。」
「するでしょ〜。結弦くんは顔もスタイルもいいから、ジャニー○事務所に入れたよきっと。」
「よせよ。でも今はこの人生でめっちゃ満足してる。可愛い双子も授かって幸せ〜。」
お膝の翔と、お座りしたままの翼を抱き寄せ頬ずりする。
血の滲むような努力の先には、こんな理想的な未来が待っていた。
「よーし、パパが幸せそうだから、ママが本読んであげようかな。」
寝そべったままのAが身体を起こし本棚から本を一冊取り出す。
けっこう分厚いみたいだけど、絵本じゃないのかな。
「なにそれ？」
「これはね、私がまどかに読んであげてた本なの。東北地方の昔話が載ってるの。」
「ふーん、どれどれ。…げっ！」
どんな本なのかと横から表紙を覗き見ると、おどろおどろしいイラストに血が垂れた文字というあり得ない本に顔を歪める俺。
「翼くんもー、おいで。」
「待ってよ、それ絶対子供向けじゃないよね。」
「そうだけど、リアルな方が伝わるじゃない。」
「５ヶ月の子供にリアルさいる？」
「いいのいいの。さ、読むよー。」
Aが翼を膝に乗せ、みんなに見えるように本を開く。
そして不本意ながらも始まったのは…。
『ずーっと昔のこと。
ここ日本には、平安時代、安倍晴明が美女にとり憑いた九尾の狐を退治したという言い伝えがある。
そして命からがら逃げた狐は、ここ東北の地で今現在も、密かに身を潜めているというのだが、それが近頃、また村で悪さを始め、人々は戦々恐々としていた。』
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鹿(プロフ) - みなみさん» ありがとうございました。妖怪なんて知識ないので、ネットに頼りっぱなしで…。地震のとき、真っ先に羽生さんを心配してしまいますね。どうか無事で！ (2021年2月14日 20時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ついに完結ですね。面白かったですよ。妖怪が絡むお話なんてなかなかないと思いますし。 大きめの地震がありました。うちもけっこう揺れましたけど、仙台はもっと強い揺れだったようで、羽生くんが心配。とにかく、みんなが無事でありますように。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 〜空〜さん» 完結がモットー(*^^*)みなさんに楽しんでもらえたかなー。自分でも作品を読み返すのですが、最初は書きやすいのですが、だんだんネタが尽きてくるパターンが多いです(笑)くっつくまでが楽しいんですよねー。また読みに来てくださいね！ (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - キャラメル味さん» 最後結構ばたばたと終わらせてしまいましたが楽しんでもらえてよかったです(*^^*)やっぱり羽生さんには女の子だよなーと、妄想してしまいました。兄をサポートするしっかり者の弟。というイメージですかね。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» ご愛読ありがとうございました(*^^*)今回双子にしたのですが、成長するとどっちがしゃべってるのか分からなくなりそうで難しいかも。結局新しいお話を書いてしまい、またしんどくて楽しい生活が始まってしまった…。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2020年12月16日 18時
